RE雨宮が近未来のスーパーロータリー搭載マシンを発表
東京オートサロン2025でもカスタムカーファンの期待に応えてくれたRE雨宮。発表された「マツキヨ 刻 3ローター NA-7 by RE雨宮」は、マツダFD3S型「RX-7」をベースに近未来のスーパーロータリー搭載マシンとして登場しました。東京国際カスタムカーコンテスト2025でグランプリに輝いたマシンを紹介します。
アイコニックSPをモチーフに製作
マツダがジャパンモビリティショー2023で披露したコンセプトカー「アイコニックSP」のことを覚えているだろうか。じつはRE雨宮が2025年のホットマシンとして製作したドリームマシンは、このクルマをモチーフにしている。
会場にいたRE雨宮代表の“雨さん”こと雨宮勇美氏に詳しく話を聞くと、
「マツダがアイコニックSPを大々的に発表したけど、あれはおそらく出ないよね。きっと作る事が難しいと思うよ。だからうちで作ってみようと思ったんだよね。スタイルはとてもいいんじゃない。それを大好きなFD3S型RX-7で作れないかをスタッフに相談し、新たなチャレンジとしてやってみようということで製作に挑んだんだ」
と話す。
シームレスなボディに仕上げる
これまでRE雨宮が手がけてきた歴代セブンのなかでも、異色のルックスとして難易度の高い作業となったという。第1の課題は、アイコニックSPの低いノーズに継ぎ目のないツルッとした一体感をどのように引き出すかであった。
まずはRX-7のノーズを可能な限り下げられるようにレインホースメントを含めてフロントセクションの一部をカットし、美しいスラントノーズになるように工夫。左右フェンダーもこのノーズ合わせで設定し、ヘッドライトはND型ロードスターのものを使用してシャープな顔つきを生み出している。
サイドはすっきり見せるデザインを採用するが、造形そのものはアイコニックSPのフォルムに近づけるべく、新たに鉄板を溶接して構成している。その結果、フロントフェンダーからリアクオーターへと美しく一直線に伸びやかに流れるフォルムを完成させた。
リアセクションについては、雨宮勇美氏がこだわった丸型ワンテールと細いLEDバーライトを装着。ワイド感を強調するディフューザーの中で映えるスタイルとして作り込まれていた。
速さとルックスを両立したRE雨宮の傑作
見た目だけでなく走れてナンボのマシン作りがモットーのRE雨宮だけに、このクルマも飾りではないエンジンが搭載済み。やや後方にマウントされたパワーユニットはRE雨宮が得意とする3ローターNAユニットで、スロットルも電子制御化されている。トランスミッションはRX-8用6MTへと換装し、パワーは最高出力350ps、9000回転まで気持ちよく回る仕様として仕上がっているそうだ。
ロングノーズ・ショートデッキのフォルムに磨きをかけ、エクステリアの造形のみでシンプルにカッコ良さを表現したマツキヨ 刻 3ローター NA-7 by RE雨宮。全身カーボンによる輝きも、このクルマの魅力をより高める要素になっている。速さとルックスの良さ、このクルマがグランプリなら誰もがきっと納得することだろう。