都市部こそサクラの需要が高まる
レーシングドライバーであり自動車評論家でもある木下隆之氏が、いま気になる「key word」から徒然なるままに語る「Key’s note」。今回のキーワードは日産「サクラ」。木下さんは、サクラには大きな可能性があると言います。その理由について語ってもらいました。
日本市場では最も売れているサクラではあるが……
近年、電動車両(BEV:Battery Electric Vehicle)の需要が世界中で急増しています。日本においても、環境への配慮から多くの消費者がBEVに注目し始めています。その中でも、日産の「サクラ」は日本市場で最も売れているBEVのひとつとして評価されていますね。しかし、販売の伸び悩みが懸念されているのも事実です。そんな不思議な現象が起きています。
日産サクラの特徴は、コンパクトなサイズと優れた機能性を兼ね備えたBEVであることです。小回りの利くコンパクトカーとして、狭い道路や駐車場の多い日本の都市部において、非常に利便性が高いとされています。また、EV特有の静粛性や加速性能、低コストの走行が経済的メリットを与える点でも、ユーザーからの支持を受けています。
サクラの販売が伸び悩んでいる背景にはいくつかの要因があります。ひとつは、競争の激化です。日本市場ではトヨタやホンダなど、多くの自動車メーカーがBEV市場に参入しています。とくにトヨタ「bZ4X」や「ホンダe」(2024年7月販売終了)など、他メーカーの競争力のある製品が出揃い、消費者が選択肢に悩む状況です。
中国BYDの勢いは鈍る気配がありませんね。世界的な視点で見れば、トランプ大統領の関税政策により暗中模索が続いてはいますが、中国はもちろんのこと欧州でも販売台数を伸ばしています。