エリアによってキャラクター豊かな信号機が存在
ドイツで有名な信号機といえば、ベルリンをはじめ旧東ドイツの街で採用されている「アンペルマン(Ampelman)」。最近ミュンヘンでは、子ども番組の主役的キャラクター「プームックル」の歩行者用信号機が新たにできました。どうやらドイツでは、エリアによってキャラクター豊かな信号機が存在するようです。詳しく見ていきましょう。
ドイツで大人気の長寿番組『プームックル』の信号機が誕生
ミュンヘンが舞台の『プームックル(Pumuckl)』は、日本では『いたずらこびとプームックル』『小人のプームックル』など、さまざまな児童書や絵本が販売されているようですね。いたずら好きなかわいい小人と家具職人のエーダー親方の日常を描く楽しい物語です。
『プームックル』は日本でいうところの昭和感満載の子ども番組で、1962年からラジオ番組として開始し、1973年からテレビで放送開始され、何度も再放送されている番組です。実写映像とアニメを組み合わせた当時では非常に画期的な技術で、ドイツのほぼ全員の子どもたちがこのテレビ番組で育ったといっても過言ではありません。
そして、テレビで放送開始されてから52年が経った現在でも再放送が繰り返されており、まさに3世代で楽しむ番組となっています。ミュンヘンのロケ地を巡る聖地巡礼をされておられる方もいるそうですよ。
プームックル信号機がスクールゾーンの2カ所に設置
ミュンヘンでは、街のあらゆる場所にプームックルのモチーフがあります。私の住んでいるアパートの近所にある公園の中には、銅像が建っています。
プームックルは子どもから大人まで大人気のキャラクターなので、見たいがためにしっかりと信号機を守る人が増えるかもしれませんね。これらのプームックル信号機はスクールゾーンの2カ所の交差点に建っており、月曜から金曜日の7時から18時までは時速30km/h制限になっています。ドイツ人は意外とせっかちで、小さなお子さんを載せた自転車に乗るパパさんやママさんでも平気で赤信号機を突っ走ったり、無理な横断をされる方々がおられるのに日常的に遭遇してハラハラしています。
時間に追われているのはわかりますが、その数秒を急いで事故に遭っては元も子もありませんしね。プームックル信号機が、お急ぎの方々に少しでも余裕を持たせてくれる存在になることを願うばかりです。
シュトゥットガルトにも独自の信号機が
2024年12月にはシュトゥットガルトへ久々におじゃましたのですが、中央駅前の横断歩道でもかわいらしい信号機を見かけたのを思い出しました。シュトゥットガルト出身の友人に聞いてみたところ、シュヴァーベン地方の人気アニメ『エッフレとプファードル(Äffle & Pferdle/おさるさんとおうまさん)』なのだそうです。
私は残念ながらこのアニメを知らなかったのですが、YouTubeで観てみるとかわいらしいキャラクターながら、シュヴァーベン地方の方言で放送されているとあり、なかなかハードルが高かったです。友人にもシュヴァーベン地方のコッテコテの方言で話す方がおられるのですが、残念ながら私にはすべてを理解することは不可能です。
さて、このシュトゥットガルトのエッフレとプファードル信号機ですが、設置されるまで6年もの歳月と署名活動を経て稼働しています。それも、このエッフレとプファードル信号機の隣に通常の歩行者用信号機を設置することを条件に叶ったそうです。信号機がふたつ並ぶ必要がある? なんて思ってしまいますが……。地元住民の方のご要望と議員さんらのとの思惑はなかなか一致しませんね。
ドイツにはこれら以外にもキャラクター豊かな歩行者用の信号機があるようなので、またどこかで見つけたらレポートさせていただきますね。
余談ですが、何年か前にミッフィーの故郷であるオランダのユトレヒトに行った際にはめちゃくちゃかわいいミッフィーの信号機があり、テンションが上がりました。