ブルーノ・スペングラー氏が「ブガッティ・パイロット・オフィシャル」に就任
2025年2月3日、ブガッティはアルザス出身のカナダ人ドライバーのブルーノ・スペングラー氏が「ブガッティ・パイロット・オフィシャル」に就任したと発表しました。同社の公式ドライバーを務めてきたピエール=アンリ・ラファネル氏はブランドアンバサダーに就任します。ブルーノ・スペングラー氏は一体どのような人物なのでしょうか。
DTMで16回優勝したカナダ人ドライバー
フランスで生まれ、カナダで育ったブルーノ・スペングラー氏は、レースでの活躍により世界的な知名度を獲得した。メルセデス・ベンツでドイツ・ツーリングカー選手権(DTM)に7年間参戦し、成功を収めた後、2012年にはBMW Mモータースポーツに移籍。その後、バイエルンブランドでの13年を超えるキャリアをスタートさせた。
ブルーノ・スペングラー氏は、BMWのDTM復帰に重要な役割を果たし、2012年から2019年まで選手権に出場した。在籍期間中、彼はシリーズで最も実績のあるドライバーのひとりとしての地位を確立し、16回の優勝、50回の表彰台、そして2012年のDTMタイトルを獲得した。
ブルーノ・スペングラー氏の成功はDTMにとどまらず、ル・マン24時間レースやIMSAスポーツカー選手権など、耐久レースでも際立ったパフォーマンスを発揮した。これらの功績により、多才で熟練したドライバーとしての彼の評判はさらに強固なものとなっている。
ブガッティの新しい公式パイロットとして、ブルーノ・スペングラー氏はブランドを代表する特別なイベントで重要な役割を担い、世界中のブガッティの顧客に専門知識を共有し、ブランドのハイパー・スポーツカーの卓越した性能を実証する。
数多くの伝説を残したピエール=アンリ・ラファネル氏
ブガッティ・パイロット・オフィシャルとしての在任期間が20年近くに及んだピエール=アンリ・ラファネルは、消えることのない足跡を残した。元F1ドライバーであり、ル・マン24時間レース出場経験のあるラファネル氏は、ブガッティ・パイロット・オフィシャルとしての在任期間中、ブランドとの深い関わりと、ブガッティを運転する魅力を愛好家や顧客に伝える能力によって、その地位を確立した。
2005年に公式ドライバーに就任して以来、ピエール=アンリ・ラファネル氏は記録を塗り替えた「ヴェイロン 16.4」から、「シロン」、それ以降のモデルに至るまで、ブガッティの最も象徴的なモデルの性能をアピールする上で重要な役割を果たしてきた。
2010年に「ヴェイロン スーパースポーツ」を運転して量産車の世界速度記録を樹立したことも、その一例である。このマイルストーンは、当時、自動車工学と性能の最前線におけるブガッティの地位をさらに強固なものにした。ピエール=アンリ・ラファネル氏は今後、ブガッティのブランドアンバサダーという新たな役割に移行する。
AMWノミカタ
ブルーノ・スペングラー氏という名前は、スーパーGTのファンならば聞き馴染みのある名前かもしない。2023年、2024年とBMW Team Studieに所属し、荒 聖治選手やニクラス・クルッテン選手とともに日本のサーキットを走りまくっていた人物である。最高順位は2024年のオートポリスの4位であったが、GT300を盛り上げた実力選手のひとりである。
ブガッティ・パイロット・オフィシャルとは、いうならばブガッティのオフィシャルドライバーを意味する。レース活動は行っていないが、顧客へのドライビングレクチャーを行ったり、前任者のピエール=アンリ・ラファネル氏のように最高速記録にチャレンジしたりと、ブガッティのロイヤリティを高めて歴史を積み上げていくのに重要な役割を果たす。経験豊かな41歳の彼が、今後どのようなブガッティの新記録で我々を驚かせてくれるか楽しみである。