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メーカー純正名車再生! ベントレー「スピードシックス コンティニュエーション」がレトロモビルで初披露…完売したクルマをあえて展示した狙いは?

ベントレー スピードシックス コンティニュエーション:レトロモビル2025で初披露された

ベントレー スピードシックス コンティニュエーションシリーズを初披露

ベントレーモーターズは、1929年と1930年にル・マンで2度の優勝を果たし、ベントレー史上最も成功を収めたレーシングカーを再現した「スピードシックス コンティニュエーション」を、2025年2月5日からパリのポルト・ド・ヴェルサイユ見本市で開催された「レトロモビル2025」で初披露しました。あらためてこのコンティニュエーションシリーズを紹介します。

車両の製作には10カ月を要する

ベントレーモーターズは、「スピードシックス コンティニュエーション」シリーズを2025年2月5日からパリのポルト・ド・ヴェルサイユ見本市で開催される世界最大級のクラシックカーイベント「レトロモビル2025」で初披露した。

このスピードシックスは、世界初の戦前車コンティニュエーションシリーズとして成功を収めたベントレー「4.5リッター スーパーチャージド “ブロワー” コンティニュエーション」の12台に続き生産されたモデルで、各車両の製作には、開始から終了まで合計10カ月を要する。

コンティニュエーションシリーズのスピードシックスは、ベントレー社が所有するスピードシックスであるナンバー「GU409」と、1930年のル・マン24時間レースでサミー・デイヴィスとクライヴ・ダンフィーがドライブしたワークス・スピードシックスである「オールド・ナンバー3」という、2台のオリジナル・スピードシックスを雛形として製作されている。とくにオールド・ナンバー3は、オーナーから惜しみなく貸し出され、マリナーチームに寸法、素材情報、コンポーネントに関する貴重なデータを提供した。

コンチネンタルGTCスピードも初披露

オリジナルのスピードシックスは、ベントレー「6.5リッター」のスポーツバージョンとして1928年に登場したモデルである。ツインSUキャブレター、高圧縮比、高性能カムシャフトなど、パワーアップのための改良が施された。『モーニング・ポスト』紙に掲載された当時のロードテストでは、次のように結論づけられている。

「このクルマは今世紀で最も注目に値するエンジニアリングの成果であり、スピード、静寂性、柔軟性のバランスがユニークな方法で維持されている」

スピードシックスは1928年から1930年にかけて182台が製造された。1929年と1930年のル・マン24時間レースでの2度の優勝により、ベントレーのレース史において傑出した地位を確立したモデルとなる。

今回のレトロモビル2025ではこのスピードシックス コンティニュエーションとともに、21年にわたるコンチネンタルGTファミリーの伝統を受け継ぎ、スーパーカーのパフォーマンス、職人技によるラグジュアリー、そして日常の実用性を究極の形で融合させたモデルである最新の「コンチネンタルGTCスピード」も初披露された。

AMWノミカタ

先日、スピードシックスの1号車がアメリカ在住の顧客に納車されたというニュースがあったが、今回はクラシックカーイベントの「レトロモビル」に車両を展示したというニュースである。

製造中の12台のスピードシックスはすべて販売済みのため、このモデルの拡販を目的とした展示とはならないが、当時のクラシック車両を修理するレストアでもなく、現代化するレストモッドでもなく、いちから新車として作り上げるコンティニュエーションの手法は実にユニークで、クラシックカーファンにその技術力を知ってもらう機会として、レトロモビルは最良の場となるであろう。

このコンティニュエーションという考えはベントレーのようなアイコニックなモデルが存在するブランドとの親和性は高い。ル・マンで優勝したモデルで言えば、「3リッター」や、“ブロワー”ではない「4.5リッター “オールドマザーガン”」も今後十分にコンティニュエーションの対象になり、戦後モデルで言えば、美しいボディラインをもつRタイプ「コンチネンタル」や、Sタイプの「フライングスパー」なども現代に蘇らせると面白いモデルかと思う。

まだひと握りのブランドしか、このような名車再生の取り組みは行っていないが、このように継続して経験を深めてゆくことはいつの日にかベントレーを救う大きな財産になるのではないかと思う。

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