形は一緒だが中身は全方位で進化していた
メルセデス・ベンツの「Gクラス」が2024年夏のマイナーチェンジにより、型式も「W463A」から「W465」へ進化。ディーゼルエンジン搭載モデルも電動化し、ISGと呼ばれるマイルドハイブリッドを装備しました。一見しただけでは変わったように見えない新型ですが、中身は全方位に進化を果たしていました。実際に乗ってみてのレポートをお届けします。
マイルドハイブリッドで“効率と快適”を向上
2024年7月、メルセデス・ベンツ「Gクラス」の新型モデルが発表された。新型といってもあの四角い無骨なスタイリングに大きな変更はない。いわゆるマイナーチェンジモデルなのだが、型式が「W463A」から「W465」へと変わった。そもそもW463とは1990年から長年使い続けられてきた型式で、2018年にフルモデルチェンジ並みの変更が加えられた現行型でも「W463A」と「A」が付加されただけだった。
今回のマイナーチェンジでわざわざ型式を変更した理由は、おそらく電動化にある。ハイライトはGクラス初のBEV「G580 with EQテクノロジー」の導入だが、じつはそれだけではない。「G450d」もAMGの「G63」も電動化されている。
まず国内で発売されたエントリーモデル(といっても2000万円超だが)は、「G450d ローンチエディション」。注目の電動化は「ISG」(Integrated Starter Generator)を搭載したこと。ISGはエンジンとトランスミッションの間に配置された電気モーターで、オルタネーターとスターターの機能も兼ねる。
この電気モーターと48V電気システムにより、回生ブレーキによる発電を行いリチウムイオンバッテリーに充電。エンジンが低回転時には、その電力を利用して動力補助を行うもの。電動走行はしない一般的にはマイルドハイブリッドと呼ばれるものだ。このシステムは「Sクラス」をはじめメルセデスではすでに多くのモデルに採用されており、効率性、快適性の向上に大きく寄与する。
内燃エンジンは、メルセデス史上最もパワフルなディーゼルエンジンとなる3L直列6気筒直噴ディーゼルターボエンジン(OM656M)を搭載。先代モデルのG400d比で+37ps/+50Nmの最高出力367ps/最大トルク750Nmを発揮。これに20ps/200Nm を発揮するISGを組み合わせる。
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