細部へのこだわりでさらに快適な走りを実現
エクステリアの変更点はほんのわずか。フロントグリルが4本の水平ルーバーが走るタイプとなり、フロントバンパー左右には特徴的なデザインのエアインテークが配された。また見た目では判断しづらいが、Aピラーの形状を最適化し、ルーフ前端にリップスポイラーを追加。そしてB/Cピラーの間やフロアに吸音材を追加することで空力特性、静粛性を向上させている。特徴的なドアハンドルや、強靭さを強調するサイドストリップライン、テールゲートに備わったスペアタイヤカバー、ユニークなウインカーレンズなど、Gクラス特有のディテールは変わらず継承している。
オフローダーのそれというよりもモダンでラグジュアリーな雰囲気のインテリアには、「ハイ、メルセデス」で起動する対話型インフォテインメントシステム「MBUX」をGクラスとしては初搭載。MBUXは年々進化を果たしており、認識精度も高まり、使い勝手が向上している。また現実の映像の上に重ねて進むべき方向を矢印で表示する AR(Augmented Reality = 拡張現実)ナビゲーションを標準装備している。
そしてセンターディスプレイ下の2つのエアアウトレットの中央にGクラスの象徴ともいえるディファレンシャルロックのスイッチを配置。そこにある「オフロードコックピット」のボタンを押すとディスプレイの表示がオフロード仕様に切り替わり、デフロックや車体の傾き、サスペンションなどの作動状況が表示される。さらにカメラ表示に切り替えると、本来であれば死角にあたるボンネット下の路面状況を合成画像技術によって映し出す「トランスペアレントボンネット」が起動する。道の険しいオフロードでも大きな岩や溝などを避けて走行できるというわけだ。
アダプティブダンピングシステムが標準装備
また、ニーズが高かったというキーレスゴーをGクラスとして初採用する。ドアハンドルにある丸いボタンを押すとガチャっと金属音とともにドアが開くのは不変だ。エンジンをスタートさせると車内にいるとディーゼルであることを忘れてしまうほど静かになった。ハイブリッドの存在はあくまで黒子だが、アシストが効いているのは間違いない。低回転域からラグタイムなくアクセル操作に反応してくれる。750Nmというトルクが2.5tを超える車両重量を感じさせない。速度があがるにつれ、風切り音の低減など明らかに静粛性が高まっていることが体感できる。
また、従来のG400dではオプション設定だったアダプティブダンピングシステムが標準装備になっており、突き上げやうねるような動きも抑え込まれ乗り心地も改善されていた。さらには安全運転支援システムも進化しており、ステアリングアシストや自動再発進機能など渋滞時に役立つ機能が追加されている。
一瞥しただけでは変化はほとんどわからないし、変わらないからこそGクラスとも言えるが、その中身は全方位で進化している。型式が変更されたのもなるほど合点がいくというものだ。
>>>Gクラスを特集したメルセデスの専門誌「only Mercedes」のvol.222を読みたい人はこちら(外部サイト)