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トヨタ「ランドクルーザー」でも「70」と「250」は何が違う? 日常使いで試乗して気がついたことをレポート…同じエンジンでも感じ方はまったく違う!

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TEXT: 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)  PHOTO: 島崎 七生人(SHIMAZAKI Naoto)

  • トヨタ ランドクルーザー70:オプティトロンメーター+4.2インチTFTカラーマルチインフォメーションディスプレイ
  • トヨタ ランドクルーザー70:前輪のロッキングハブはオートで作動する。絶対に外れてほしくない場合は手動でロックにすることも可能
  • トヨタ ランドクルーザー70:本革巻き4本スポークステアリングホイール(木目調)
  • トヨタ ランドクルーザー70:シート表皮は合皮とファブリックを組み合わせる
  • トヨタ ランドクルーザー70:6:4分割可倒式リアシート(タンブル+リクライニング機構付)
  • トヨタ ランドクルーザー70:バックモニター内蔵自動防眩インナーミラーは標準装備
  • トヨタ ランドクルーザー70:トランスミッションは6速AT。右側には2WD、4WDハイ、4WDローの3つのモードを切り替えるトランスファーレバーが備わる
  • トヨタ ランドクルーザー70:パワーウインドウのスイッチは、1980年代の初代と同世代のX80系マークIIのそれが使われていた
  • トヨタ ランドクルーザー70:シュン(愛犬)は、終始オスワリの姿勢で様子をうかがっていた
  • トヨタ ランドクルーザー70:体重15kgの我が家のシュン(乗り心地・NVH評価担当、柴犬・オス・3歳)を抱きかかえてシートの上に乗せるのはひと苦労だった
  • トヨタ ランドクルーザー70:外観ではヘッドランプまわりが現代的にアレンジされ、盛り上がったエンジンフードなども新しい
  • トヨタ ランドクルーザー70:ボディサイズそのものは不当に大きいわけではなく、スーパーの駐車場の出し入れなどは苦もなく行なえる
  • トヨタ ランドクルーザー70:ラゲッジスペースはスクエアな形状でもあり、実に使いやすい
  • トヨタ ランドクルーザー70:新車ではあるが、41年前からあたかも時間が止まったかのような体験をさせてくれる
  • トヨタ ランドクルーザー70:搭載エンジンは2.7Lの4気筒ディーゼルターボの1GD-FTV型
  • トヨタ ランドクルーザー250:一見すると平面に思えるボディは、前後方向で見ると大きく絞りを効かせ、引き締まって見せているのがポイントだ
  • トヨタ ランドクルーザー250:ラゲッジスペースは実測してみると奥行き1060mm×幅1150mm〜1380mm×高さ900mmほどで十分な余裕(サードシート格納時)
  • トヨタ ランドクルーザー250:シート表皮は本革を使用
  • トヨタ ランドクルーザー250:2列目の居住性は、シートサイズが十分あり、ウインドウ下端も低く視界は明るい
  • トヨタ ランドクルーザー250:3列目も決して狭くない
  • トヨタ ランドクルーザー250:ステアリングヒーターは標準装備
  • トヨタ ランドクルーザー250:電子制御8速オートマチック+シーケンシャルシフトマチック
  • トヨタ ランドクルーザー250:エンブレムはブラック仕上げになっている
  • トヨタ ランドクルーザー250:力強くもシンプルでしなやかなルックスは、街中でもオフロードでも風景に馴染むスタイル
  • トヨタ ランドクルーザー250:シュンも納得の1台
  • トヨタ ランドクルーザー250:JBLスピーカーが鳴らす、柔らかく描写が丁寧な音も、ずっと250を走らせていたいと思わせる
  • トヨタ ランドクルーザー250:リアゲートはガラスハッチ単独での開閉も可能だ
  • トヨタ ランドクルーザー250:デザインのフェーズはもちろん新しいが、機能を決して犠牲にせず、華美にも過ぎず、眺めていて心地いいカタチに仕上げられている
  • トヨタ ランドクルーザー70:外観ではヘッドランプまわりが現代的にアレンジされ、盛り上がったエンジンフードなども新しい
  • トヨタ ランドクルーザー250と愛犬のシュン

気になる2台の新旧ランドクルーザーに試乗!

まだまだ続くSUVブーム。トヨタでは「ランドクルーザー70」と「ランドクルーザー250」のデリバリーが進み、路上で見かける機会も増えたこともあって俄然注目が集まっていますが、それぞれどんな生い立ちで、何が違うのか。今回はモータージャーナリストの島崎七生人さんに2台を試乗してもらい、それぞれの特性を語ってもらいました。

アクセル操作に対して期待どおりの反応をみせるランクル70のエンジン

トヨタ「ランドクルーザー70」を「ランドクルーザー250」(後述)と較べると、「なんて趣味性の高いクルマなのだろう」と思った。

オーセンティックといえば間違いなくそうだが、新車ではあるが、41年前からあたかも時間が止まったかのような体験をさせてくれるのが、このランドクルーザー70である。

2014年の復活を経て、今回のクルマは再復活版となる。外観ではヘッドランプまわりが現代的にアレンジされ、盛り上がったエンジンフードなども新しい。が、1920mmと背が高く四角いボディは公園やスーパーの平場の駐車場に停めると明らかに突出して見え、なかなかの存在感。運転席の着座位置はキャブオーバーのトラックや1BOX並みの高さで、サイドウインドウの下端が低く、さらに各ピラーはスリムで立っているから、周囲の見晴らしはじつに良好(盛り上がったフードの見え方が少し違うことを除けば)。これらはもちろん昔のままだ。

インパネをはじめインテリアの基本デザインは2014年のモデルのそれを踏襲。メーター、ステアリング、ATセレクターなどは新しい。ただしメーターの盤面をよく見ると、電圧/水温/燃料/油量の各補助メーターはアナログ計として残されており、このあたりはクルマの基本的な機能を重視するランクルらしい。それとドアに備わるパワーウインドウのスイッチは、1980年代の初代と同世代のX80系「マークII」のそれが使われていて、これには筆者は目頭が熱く(?)なった。

バックモニター内蔵自動防眩インナーミラー(試乗車のリアカメラはカタログ写真とは違う場所に取り付けられていた)は標準装備。プリクラッシュセーフティ、レーンディパーチャーアラートなど、予防安全の各種機能も備わるほか、インパネに充電用のUSB Type-C×2口が備わるのも今風だ。

ラゲッジスペースはスクエアな形状でもあり、実に使いやすい

一方でスローなステアリングは、乗用車ベースの今どきのSUVの感覚からすると新鮮かつ懐かしく、日常使いでの切る/戻すの操作は自分で少し意識しながら行なう必要がある。少なくとも14年ぶり(最初のクルマから数えれば40数年ぶり)の試乗で、当初は筆者も、路地でクルマが曲がり切らず、あらららと切り返してやり直した。ただしボディサイズそのものは不当に大きいわけではなく、スーパーの駐車場の出し入れなどは苦もなく行える。

シート座面は前後とも高く、乗り込みにはステップを使うことになる。後席の座面高はほぼ1mとここ最近のSUVに対して明らかに高く、体重15kgの我が家のシュン(乗り心地・NVH評価担当、柴犬・オス・3歳)を抱きかかえてシートの上に乗せるのはひと苦労だった。ラゲッジスペースはスクエアな形状でもあり、じつに使いやすい。

それと、走らせている実感がヒシヒシと伴うところも現代のクルマとの大きな違いだ。エンジン音や振動はつねに車内で感じるし、ステアリングも走行中はゆったりとした操作が肝要だ。現代のSUVならBEVも含め試乗経験を積むシュンも、ランクル70のこの音と振動は初体験で、走行中、いつものように居眠りをしている場合じゃなかったらしく、終始オスワリの姿勢で様子をうかがっていた。

搭載エンジンは2.7Lの4気筒ディーゼルターボの1GD-FTV型(204ps/500Nm)。今回はオンロードのみの試乗だが、6速ATとの組み合わせで、低速から高速まで、アクセル操作に対して期待どおりの反応をみせてくれ、決して古風ということはなく、運転しやすいパワーユニットだと再認識した次第だ。

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