サイトアイコン AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

なぜ視界が悪くなるのにリアウインドウを小さくした? 元祖「ビートル」のディテールを現代のVW「ザ・ビートル」で徹底再現したら…

VW ザ・ビートル:空冷時代のクラシック・ビートル(タイプ1)を彷彿させるパーツを装着してカスタム

空冷VWパーツをオマージュしてザ・ビートルをカスタム

フォルクスワーゲン「タイプ1」、通称「ビートル」は第二次大戦直後から2003年まで生産された超ロングセラー。それをオマージュした「ニュービートル」は1998年から2010年まで販売され、その次の「ザ・ビートル」も2011年に登場しましたが、2019年で生産終了となりました。そろそろ中古車価格もお手ごろになってきたザ・ビートルをベースに、クラシカルなカスタムを施した個体を紹介しましょう。

大きな1枚ガラスのリアウインドウを「スプリット」化

大阪オートメッセ2025(OAM)の会場内で発見したのは、フォルクスワーゲン「ザ・ビートル」をベースに、空冷時代のクラシック・ビートル(タイプ1)を彷彿させるパーツを装着してカスタムした車両。出展していたのは、大阪のハルトデザインだ。アウディやVWなど最近の欧州車のカスタムを得意とするハルトデザインが提唱する、ザ・ビートルのクラシックスタイル・カスタムだという。スタッフの方にお話を伺ってみた。

「ザ・ビートルもすでに生産終了してしまい、古いモデルは10年以上が経過しています。手頃になったザ・ビートルをベースに今あえてクラシックなカスタムをするのも楽しいのではないでしょうか?」

そんな言葉どおり、このザ・ビートルには数々のクラシックカスタムが施されているのだが、最も気になるのがリアウインドウだ。1950年代前半の空冷ビートルの特徴である、センターにピラーが入る小さなリアウインドウ、通称「スプリットウインドウ」を、ガラスにパネルを貼ることで再現しているのだ。窓が小さくなったことでグッとレトロな雰囲気になるから不思議だ。

各部にクロームパーツを装着し空冷時代のビートルをオマージュ

車体の前後には、クロームメッキ処理されたバンパーを装着し、ボディサイドには窓下にやはりクロームのボディモールを装着。さらにドア下にもロッカーモールを追加している。じつはこれ、空冷時代のビートルが装着していたパーツを参考に追加したもので、モールも同じ位置に装着しているそうだ。

そのほかにもヘッドライト周辺にはクロームのリングを装着している。これもヘッドライトの周囲にクロームのベゼルが備わっていた空冷時代のビートル、中でも6Vモデルと呼ばれる1960年代中盤以前のモデルをオマージュしたものだ。

さらにフェンダーの付け根には、クロームのプレートが装着されているが、これも空冷ビートル時代に装着されていた「ストーンガード」と呼ばれる、飛び石から塗装を守るオプションパーツのオマージュ。このように、とにかくマニアックなディテール満載なのだ。

ルーフにも見どころ多数! レザー張りの理由とは?

さて、そんな空冷ビートルへのオマージュで製作されたボディだが、こだわりはこれだけではない。じつは車体の上にもこだわりがたくさん詰まっているのだ。ルーフの中央部分には、あえてブラウンのレザーが張られている。中央部分だけなので、レザートップというわけではなさそうだ。じつはこれも1960年代前半のビートルに備わっていた「ラグトップ」と呼ばれるキャンバストップタイプのサンルーフを模したもの。またその上のルーフラックにもこだわりが詰まっている。

「当初は、空冷ビートル用のキャリアを購入して加工して装着していたんですが、最終的には当社でザ・ビートルのルーフにジャストフィットする専用のルーフラックをアルミとウッドで製作しちゃいました」

モバイルバージョンを終了