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30年バラバラ放置のトヨタ「スポーツ800」を路上復帰! 外観はノーマルなのに100馬力の秘密は…スズキ「ワゴンRワイド」のエンジンに換装してました!

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TEXT: 酒寄俊幸(SAKAYORI Toshiyuki/gasgraphix)  PHOTO: 酒寄俊幸(ガスグラフィックス)

  • 1968年式のトヨタ スポーツ800とオーナーの山口哲生さん
  • トヨタ スポーツ800:ご本人いわく「素人鈑金」のボディ下地だが、そうは思えないほど美しい仕上がり
  • トヨタ スポーツ800:1960年代のボディデザインに違和感なく収まった電動ミラー
  • トヨタ スポーツ800:マフラーから元気な音を奏でていた
  • トヨタ スポーツ800:メーターパネルはカーボンやスタック製メーターに交換し、レーシーな雰囲気に
  • トヨタ スポーツ800:エンジンスターターはプッシュ式。各種デジタルメーターの増設だけではなく、ミラーも電動化。さらにエアコン装着に伴い、噴き出し口をノーマル流用で追加している
  • トヨタ スポーツ800:ヘッドレストが無いバケットシートも当時の雰囲気のまま
  • トヨタ スポーツ800:オーディオも楽しめるように最新機器をセット
  • トヨタ スポーツ800:ワゴンRワイドに採用されていたエンジンがベース。1000cc、100psだけではなく、軽量コンパクトも重要だった
  • トヨタ スポーツ800:ボディはかつてグサグサのサビサビで、30年もバラバラだったと想像できない
  • トヨタ スポーツ800:まばゆいイエローボディが、スポーツ800の可愛らしさを一層引き立てている

チューニングされた「ヨタハチ」は「ノブハチ」だけではありません

通称「ヨタハチ」ことトヨタ「スポーツ800」を過激にチューニングしたオーナーといえば、レーシングドライバーの谷口信輝氏が有名です。谷口氏の愛車は、見た目はヨタハチですがエンジン、トランスミッション、足まわり、ボディ補強など、すべてが別次元の驚愕車。一方、今回紹介するイエローのスポーツ800は、見た目はノーマルですがインタークーラー付きターボを搭載。ヨタハチ愛47年というオーナーの1台を紹介します。

見た目は完全にノーマルを維持し、100馬力仕様を達成

22歳で人生初めてのトヨタ「スポーツ800」を購入してから、47年も経過するという山口さん。1969年式の最終型という最初の愛車は、現在も所有している。2024年10月27日に熊本県阿蘇市阿蘇門前商店街で開催された「トヨタスポーツ800還暦祭 九州大会」には、山口さんの娘さんがその最初の愛車を運転して参加。一方の山口さんは、ここで紹介するイエローのヨタハチで参加していた。

集合場所の瀬の本レストハウスで、ボンネットフードを開けた瞬間からできた人だかりの山。その理由は、エンジンにあった。

「ノーマルが45馬力。ホンダのS800は70ps。それならば、私のヨタハチは100psを目指そう! というのがテーマです。ダイレクトイグニッション仕様で、インタークーラーターボ付きで、そういうエンジンがあるよね、と。谷口信輝さんは4AGを搭載していましたが、それでは重量増加が心配だったのもあります。それと、私はノーマルのボディデザインが好きなので、見た目は完全にノーマルを維持することも重要でした」

ケータハム「スーパーセブン」などのチューニングを得意とする知り合いのショップに相談した結果、エンジンはスズキ「ワゴンRワイド」用をベースにすることが確定した。予定通りの1000cc、100ps仕様を達成しただけではなく、エアコン完備、リアサスは独立懸架など、現代の使用環境でも楽しめるようにファインチューニングが施されているのがポイントだ。

独学で鈑金修理を実施した苦心作

しかも、この愛車にまつわるエピソードは、それだけに留まらない。30年もバラバラのままだった個体を引き取り、しかもご自身で鈑金修理し、ボディの下地は自ら作り上げたという苦労も経験しているのが興味深い。

「以前のオーナーさんが、レストア予定でバラバラにして放置していたのは認識していました。その次のオーナーさんも、購入後そのまま。そして、その状態で私の友人が購入しましたが、そこでもバラバラのまま。計算すると、都合30年ほどパーツはオイルづけのままでバラバラでしたね」

その状態で山口さんの元に届いたのが7~8年前のこと。ボディはザクザクのボロボロ。パーツも何が揃っていて、何が必要なのかも分からない状態だった。それでもヨタハチを4台ほど所有していたこともあり、パーツはなんとかなりそう。でも鈑金補修にお金がかかりそうだということで、一念発起して、YouTubeで鈑金修理の勉強をし、自らボディ修理を実施したのだった。

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