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VW新型「ゴルフGTI」は最後の純ICE搭載ホットハッチか!? 265馬力のパワーとエンジンサウンドを堪能…いま味わっておかないと後悔必至!

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: 神村 聖(KAMIMURA Satoshi)

2リッター直噴ターボエンジンは変わらぬ活発さ

一昨年の2023年、ゴルフ8時代にも同じく暗い赤色(キングスレッドME)のGTIを試乗し、そのドライビングプレジャーにすっかり感服させられてしまった筆者だが、再びチェック地のテキスタイルを用いたバケットシートに腰を降ろすと、あの時のエキサイトした気持ちが蘇ってくる。

はやる気持ちを抑えつつ、センターコンソール前方に置かれた「START」ボタンを押すと、「ヴォンッ!」という軽い咆哮とともに始動。東京・臨海地区の一般道に向けて走り出す。

まずはデフォルトである「COMFORT」モードで市街地を流すようなペースで走ると、相変わらずの活発さ。従来型GTIの245psから265psとなったという2.0L直噴ターボエンジンながら、その違いを公道で体感できる機会は少ないだろう。

それでも、もとより当代最新の2Lクラスとしてはまだ伸びしろのあるパワー設定だったせいか、あるいは高出力と環境性能を両立させるため、通常の燃料直接噴射にくわえてマルチポイント噴射を備える「デュアルインジェクションシステム」を従来型と同じく採用しているせいか、パワーが増えてもターボラグが大きくなるなどの弊害は皆無。スロットルを踏み込めば、まるで自然吸気の大排気量エンジンのようにトルクの塊がグイグイと車体を押し進め、市街地の流れをリードできるのはもちろん、高速道路でもあっという間に法定速度に達してしまう。

今度という今度こそ、最後の純ICE搭載GTIかも?

さらに、タッチスイッチで「SPORTS」モードに変えると、レスポンスもトルク感もアップ。低回転からスロットルを踏み込んだ時には「バルルルッ!」そして高回転域では「コーンッ!」ととどろく硬質なエキゾーストサウンドには、スピーカーからの補助音によるサウンドエフェクトが加味されているのかもしれないが、今となっては内燃機関の喜びをこれほど味あわせてくれる4気筒エンジンも少なくなっていることを実感させられる。

さらには可変ステアリングラックを採用し、ロックtoロックでわずか2.1回転とされた「プログレッシブステアリング」がもたらす、ホットハッチというよりはスポーツカーを思わせるハンドリングも健在である。

4モーションAWDシステムを持つ現行ゴルフRが重厚なドライブフィールを身上とするのに対して、こちらのGTIは明らかに軽快。この軽快さと安定感の「妙なる調和」こそ、初代以来継承されてきたゴルフGTIの真骨頂……、というのは前回のゴルフ8 GTIの試乗レポートでも記したとおりである。

しかし、今回の試乗車に装備されていたDCCパッケージ仕様車については、19インチのタイヤに若干の過剰感を覚えてしまったのも、また正直な感想。アダプティブシャシーコントロールで4モードを使い分けられるのはたしかに楽しく、実利もあるとは思いつつも、そのかたわらでタイヤは軽快なハンドリングが強調される18インチのほうが好適にも感じられ、じつに悩ましいところなのだ。

それでも、次期ゴルフ9のGTIがEV化される……? そもそも次期ゴルフは、依然としてEV専用車として開発が進められている……? などという憶測がある今、たとえマイナーチェンジ版とはいえ今度こそ最後になるかもしれない純ガソリン車のゴルフGTIを慈しむごとく味わっておくべきという気持ちは、間違いなく強くなったのである。

Specifications

■VOLKSWAGEN GOLF GTI
 フォルクスワーゲン ゴルフGTI

・車両価格(消費税込):549万8000円
・全長:4295mm
・全幅:1790mm
・全高:1465mm
・ホイールベース:2620mm
・車両重量:1430kg
・エンジン形式:直列4気筒DOHCターボ
・排気量:1984cc
・エンジン配置:フロント
・駆動方式:FF
・変速機:7速DSG
・最高出力:195kW(265ps)/5250-6500rpm
・最大トルク:370Nm/1600-4500rpm
・燃料タンク容量:51L
・サスペンション:(前)マクファーソンストラット、(後)4リンク
・ブレーキ:(前&後)ベンチレーテッドディスク
・タイヤ:(前&後)225/40R18

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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