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16歳で衝撃を受け24歳で購入! 50年以上トヨタ「スポーツ800」を所有するオーナーが、定年後にもう1台増車した理由とは?

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TEXT: 酒寄俊幸(SAKAYORI Toshiyuki/gasgraphix)  PHOTO: 酒寄俊幸(ガスグラフィックス)

  • トヨタ スポーツ800:オーナーの荒木秀行さんは16歳で初めて見たモータースポーツで、ヨタハチが大活躍するその瞬間に立ち会ったという
  • トヨタ スポーツ800:浮谷東次郎さんの激走は、このフォルムにも永遠に刻まれている
  • トヨタ スポーツ800:ルーフが外れる仕様はポルシェ 911ではなく、スポーツ800が初採用した
  • トヨタ スポーツ800:ミラーは同年代のトヨタ カローラ用と思われるパーツを装着
  • トヨタ スポーツ800:リアウインドウに貼られたビートルズのステッカー
  • トヨタ スポーツ800:こちらは1975年から継続するヨタハチオーナーズクラブのステッカー
  • トヨタ スポーツ800:ホイールはパナスポーツ製のアルミへと変更
  • トヨタ スポーツ800:エンジンも美しい状態で維持されている
  • トヨタ スポーツ800:シートの表皮も修復済みで新品のようなコンディション
  • トヨタ スポーツ800:コンパクトながらもロングノーズ、ショートデッキスタイルが美しい
  • トヨタ スポーツ800:ボンネット裏に、細谷四方洋さんのサイン入り
  • 1966年式のトヨタ スポーツ800とオーナーの荒木秀行さん

日本のモータースポーツ黎明期に夭逝した若手ドライバー、浮谷東次郎

日本国内のモータースポーツ史に興味を持った人であれば、その名を知らないはずがない伝説のドライバーが浮谷東次郎です。1965年8月21日に練習中の事故でこの世を去るまで、たった2年弱でしたが当時のモータースポーツファンを熱狂させたレーシングドライバーでした。当時、浮谷東次郎の名前が世に広まる白熱の逆転劇を現地で見ていたという荒木秀行さん。トヨタ「スポーツ800」を購入した理由は、船橋サーキットでの興奮が関係していました。

プレゼントされた入場券で見た、浮谷東次郎とヨタハチの活躍

「私が高校1年生になる1965年にヨタハチが発売され、船橋サーキットがオープンしました。その近所に住んでいたので、たまたま入場券をいただくことができ、生まれて初めてサーキットへと足を運んだのです」

そう話し始めてくれたシルバーのトヨタ「スポーツ800」のオーナーである荒木秀行さん。筆者が取材のオファーで声をかけた理由は、荒木さんの愛車が習志野ナンバーだったからだ。取材場所は、熊本県阿蘇市にある阿蘇神社前の参道前。「トヨタスポーツ800還暦祭」の九州地区開催のために、千葉県から参加? 千葉~熊本という距離をこのヨタハチで来た? という興味が沸いたからだった。しかし、その長距離移動の内容よりも、もっと衝撃的な実話を聞かされることになったのである。

「私は、浮谷東次郎さんが走るレースを生で観戦しているのです。あのときは、浮谷さんの名前さえも知らなかったのですが、レース中の接触からのピットイン。マシン修復後、もの凄い追い上げで逆転優勝。私の初めてのレース観戦が、浮谷さんがヨタハチで激走し、勝利を挙げたあのレースなのです。浮谷さんがゴールする際には、観客が総立ちだったことは今でも覚えています」

モータースポーツファンであれば一度は耳にしたことがあるだろう、伝説のレースの目撃者。それが荒木さんだった。浮谷東次郎とヨタハチの活躍で受けた感動と興奮。今でもスポーツ800を愛する理由は、それに尽きる。

24歳でヨタハチ購入後、2台を所有し続ける

荒木さんがスポーツ800を初めて手に入れたのは、24歳のとき。あの興奮からすでに8年が経過していたが、16歳のときの感動を忘れることなく、夢を実現したことになる。

「ところが仕事が忙しくて、せっかく手に入れたのになかなか乗る機会がなかったのです。でも手放さずに所有し続けていました。古くなってしまったので修理に預けたのですが、私が定年になってもまったく完成せず。さすがにいつまでも乗れないのは嫌だったので、その修理を出しているお店でたまたま売りに出されたこのヨタハチを購入したのです」

千葉から熊本までの道程は、東京・有明港から新門司までのフェリーがメイン。35時間に及ぶフェリー旅をともにしたこの愛車は、荒木さんにとっての2台目のヨタハチだという。そして、冒頭で説明された初めて手に入れたヨタハチは、まだ修理から上がってこないが、購入から50年が経過した個体ということになる。

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