日本で唯一無二のエンジン模型メーカーが作る特別な10周年記念モデル
日本最大規模を誇る旧車の祭典、「Nostalgic 2Days(ノスタルジック2デイズ)」にはビンテージからネオクラシックまでさまざまな世代のヒストリックカーの展示とともに、ノスタルジックな趣味を楽しむためのさまざまなアイテムも見られました。今回は日本で唯一、ハンドメイドで製造するエンジンスケールモデルメーカー「日下エンジニアリング」の新作を紹介します。
「名作を形にして後世に残す」をコンセプトにホビー業界に参入
2015年、日下エンジニアリングはミニチュアモデルの製造経験がない状態から、歴史を彩った傑作エンジンだけを1/6スケールでモデル化するという前代未聞の試みでホビー業界に飛び込んだ。
原型金型に現在では当たり前となっているリバースエンジニアリング技術を用いることで、老舗と並ぶ精度、品質を手に入れることができたのも、参入のハードルを下げたひとつの要因だ。当初は前例のない商品だけに疑問視されていたが、代表の佐々木 禎氏が掲げる「名作を形として後世に残す」というコンセプトのもと、本物の再現にこだわる商品作りが評価され、クルマ愛好家、さらには自動車メーカー(現在5社)やショップから高く評価され、ブランドを確立することに成功。
現在は、語り継がれる名機だけでなく、稀代のレーシングエンジン、魅力ある現行車種ユニットの3本柱へと展開を拡大。製作の依頼も途切れることはない。
かつてモータースポーツを席巻した特別なRB26DETTをモデル化
ノスタルジック2デイズ2025では、2025年にエンジンスケールモデルメーカーとして10周年を迎えたことを記念した限定モデル「Gr.A Master’s with POWER CORE」が展示された。商品化は数ある中から日下エンジニアリングがファーストモデルとして世に送り出した「RB26DETT」を選定。第2世代と呼ばれる「GT-R」に搭載されたエンジンで、レースだけでなく、チューニングの世界でそのポテンシャルを遺憾なく発揮。国内外に高いポテンシャルを見せつけたまさに日本を代表するパワーユニットだ。
今回は市販車仕様ではなく、モータースポーツを席巻したGr.A仕様を忠実に再現。原型製作も写真や資料だけでなく、当時のレースで使われた本物のパーツをスキャニングし、寸分違わぬようにスケールダウンしたこだわりよう。徹底して本物らしさを追求して仕上げられている。
今回はさらに長年協力関係にある世界のコレクターから高く評価されるミニカーメーカー「Make Up」の1/18カルソニック スカイライン(BNR32型スカイラインGT-R)Gr.A仕様がエンジンモデルの横に並ぶ。