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バブル時代の1000馬力! ケーニッヒ仕様のフェラーリ「テスタロッサ」は「F40」以上の迫力…時代が求めた究極のスーパーカーとは

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TEXT: 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)  PHOTO: 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)

  • フェラーリ テスタロッサ ケーニッヒ・スペシャルズ・コンペティション・エボリューション:固定式のヘッドライトに変更している
  • フェラーリ テスタロッサ ケーニッヒ・スペシャルズ・コンペティション・エボリューション:国内にこの1台しか存在しない
  • フェラーリ テスタロッサ ケーニッヒ・スペシャルズ・コンペティション・エボリューション:サイドエアインテークのスリットは排除している
  • フェラーリ テスタロッサ ケーニッヒ・スペシャルズ・コンペティション・エボリューション:リアエンドにはスリットを設け、全体のボディラインを強調しながらもケーニッヒならではの空力を考慮したフォルムとして成立させている
  • フェラーリ テスタロッサ ケーニッヒ・スペシャルズ・コンペティション・エボリューション:固定式大型スポイラーを装着
  • フェラーリ テスタロッサ ケーニッヒ・スペシャルズ・コンペティション・エボリューション:ケーニッヒの5本スポークのホイールを装着する
  • フェラーリ テスタロッサ ケーニッヒ・スペシャルズ・コンペティション・エボリューション:搭載するパワーユニットは5L V12ツインターボエンジン
  • フェラーリ テスタロッサ ケーニッヒ・スペシャルズ・コンペティション・エボリューション:搭載するパワーユニットは5L V12ツインターボエンジン
  • フェラーリ テスタロッサ ケーニッヒ・スペシャルズ・コンペティション・エボリューション:インテリアは赤で統一
  • フェラーリ テスタロッサ ケーニッヒ・スペシャルズ・コンペティション・エボリューション:当時のカタログスペックは最高出力1000ps、最大トルク100kg-mで、最高速度は370km/h以上の性能を誇る
  • フェラーリ テスタロッサ ケーニッヒ・スペシャルズ・コンペティション・エボリューション:ケーニッヒが手がけたモデル

ケーニッヒが生んだ怪物マシン

フェラーリの名車「テスタロッサ」をベースに、さらなる進化を遂げた究極のチューニングカーが存在します。それが、ドイツの名門チューナー、ケーニッヒが生み出した「テスタロッサ ケーニッヒ・スペシャルズ・コンペティション・エボリューション」です。圧倒的なパワーと独自のデザインで、まさにストリートの王者にふさわしい1台。その魅力に迫ります。

王者の名を背負う、究極のスーパーカー

スーパーカーの代名詞となるマシンを数多く世に送り出す、フェラーリの偉大さについては説明するまでもない。そのなかでも、1984年から1992年に製造され、イタリア語で「赤い頭」の名を持つ「テスタロッサ」は、「512BBi」の後継モデルとして登場。伝統のピニンファリーナのデザインに変更を加え、掟破りのフォルムを持つマシンとしても知られている。

そんなテスタロッサをベースに、さらに過激に衝撃的なスーパーカーへと変貌させたチューニングモデルが、「テスタロッサ ケーニッヒ・スペシャルズ・コンペティション・エボリューション」だ。

ケーニッヒは、1974年にウィリー・ケーニッヒによりドイツ・ミュンヘンで創業したチューニングメーカーだ。もともとケーニッヒは「365BB」のチューニングからスタートし、その後、BMW、ランボルギーニ、メルセデス・ベンツを手がけることで有名になっていった。ケーニッヒ(Koenig)はドイツ語で「王」を意味し、このマシンはストリートを駆け抜ける王として君臨することを示している。

スリット排除で魅せる新たなフォルム

このクルマは、そのなかでも黄金期に登場した代表的なモデル。当時のクルマ好きに衝撃を与え、そのスタイルのカッコよさに憧れを抱いた方も多いはず。その威厳に満ちあふれたフォルムは、まさにザ・スーパーカーといった印象であった。

オリジナルから大きく変貌を遂げたエクステリアは固定式のヘッドライトに変更され、テスタロッサならではのサイドエアインテークに設けた特徴的なスリットは排除。あえてシンプルにすることで、ワイド感を強調するデザイン変更を加えている。

また、大きく張り出したフェンダーをより強調するべく、リアエンドにはスリットを設け、全体のボディラインを強調しながらもケーニッヒならではの空力を考慮したフォルムとして成立させている。

国内唯一のケーニッヒ仕様

テスタロッサ ケーニッヒ・スペシャルズ・コンペティション・エボリューションの名の由来は、エクステリアではなく、じつはエンジンにある。搭載するパワーユニットは5L V12ツインターボエンジンで、当時のカタログスペックは最高出力1000ps、最大トルク100kgmで、最高速度は370km/h以上の性能を誇る。

パワーの上限は、センターコンソールに設置した機械式ブーストコントローラーによって600ps/700ps/800ps/1000psと切り替え機能があるのも特徴だ。また、すべての制御を行うコンピュータはMoTeCのM800を搭載し、当時は荒削りだった部分に現代技術を活かし、リスクマネジメントを考慮した繊細なセッティングが施されている。

過激なマシンという意味では、見た目も性能もまさにその名にふさわしいスーパーモデルといえる。

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  • 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)
  • 青木邦敏(AOKI Kunitoshi)
  • 1969年生まれ。某出版社でドレスアップ誌、チューニング誌の編集長を歴任。2006年に自動車・バイク専門の編集プロダクション株式会社バーニーズを設立。自動車専門誌をはじめ、チューニング、カスタム系、旧車、キャンピングカー、アウトドアに関する媒体を新たに立ち上げる。これまでの愛車は、セリカXX、スカイライン、AE86、AE92、シビック、スープラ、シルビア、180SX、ロードスター、RX-7、BMW850iなどなど。他にもセダン系、バン系、ミニバン系など数多くのクルマを乗り継いでいる。
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