プライベーターでも戦闘力の高いマシンを仕立てられた
日産「スカイライン」の連勝を止めたロータリーの名車、マツダ「サバンナRX-3」。軽量なボディに10A型2ローターエンジンを搭載したサバンナRX-3は、GTグレードの追加によりモータースポーツでの勝利が多くなりました。今回は箱車の祭典2024に参加した「サバンナRX-3 TSプライベーター仕様」を紹介します。
レジェンドドライバーもロータリー車で腕を磨いた
いま思うと、なんともうらやましい話だが、1970年代はマツダ公式指定の各スポーツコーナーからユーザーにチューニング用パーツが豊富に供給され、サーキットにおいてプライベーターなども大活躍した。プライベーターも戦闘力が高いマシンで上位カテゴリーのレースを楽しめるいい時代だったのだ。
特異な例だが、元F1レーサーで、現在Modulo Nakajima Racingの監督を務めている中嶋 悟さんや、ル・マン24時間レース・ウィナーの関谷正徳さんなども、若い頃はロータリーエンジン搭載車で腕を磨き、その後、モータースポーツ・フィールドでの飛躍的なステップアップを果たしている。
オーナーの平山雅幸さん(取材時61歳)が箱車の祭典2024でドライブした「サバンナRX-3」は、まさにTSプライベーター仕様で、ワークスマシンのようなボディカラー縛りがないので好きな色でペイントしたのだという。
「このサバンナRX-3を買ったのは、12〜13年ぐらい前のことです。じつは子どもの頃に富士スピードウェイでオーバーフェンダーが付いたサバンナRX-3を観ていたんですよ。親がマツダ好きで、我が家のファミリーカーはコスモやルーチェでした。それらのクルマでお世話になっていたマツダの営業所でレース用のサバンナRX-3をメンテナンスしていたので、そちらにもよく見に行っていました。おそらく、富士250kmレースを走っていたクルマだったのだと思います」
サバンナRX-3や日産B110型「サニー」が出走していたマイナーツーリングカーレースが好きで、大人になったら自分もサバンナRX-3に乗ってみたいと思っていた平山さんが、時を経て、仲のいいクルマ仲間が見つけてくれた売り物のサバンナRX-3を購入。13Bエンジン、足まわり、燃料系、室内をはじめとする各部を自分でリセットしたそうだ。
「自宅にサバンナRX-3を持ち上げて整備するためのリフトを入れてしまいました。購入後、しばらくの間はジャッキアップして作業していましたが、やはり大変だったので、家を建て替えるときにリフトを入れ、プライベートファクトリーを設けました。それで作業性がグーンとアップし、かなり順調に各部のリセットが進みました」
以前、JCCAクラシックカーフェスティバル 富士ジャンボリーに参加しており、袖ヶ浦フォレストレースウェイも走っているとのことだった。