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EV嫌いの旧車党がボルボ「EX30」に雪上試乗してみたら…お値段以上の上質感! ナチュラルで気持ちの良い新時代の高級車でした

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: 神村 聖(KAMIMURA Satoshi)

  • ボルボ EX30:ボルボ史上もっとも小さなSUV、そしてもっとも小さなBEV
  • ボルボ EX30:ボディサイズは全長4235mm×全幅1835mm×全高1550mm
  • ボルボ EX30:日本の立体駐車場に収まる全高は、ボルボ・カー・ジャパンが本国に提起した希望が受け容れられた結果ともいわれている
  • ボルボ EX30:試乗車のボディカラーはクラウドブルー
  • ボルボ EX30:現時点で日本でラインアップされるのは、69kWhバッテリーを搭載するRWDの「EX30シングルモーター エクステンデッドレンジ」のみ
  • ボルボ EX30:試乗車の装着スタッドレスタイヤはミシュラン X-ICE SNOWで、サイズは前後とも245/45R19
  • ボルボ EX30:エクステリアデザインは、けれんみのないシンプルな仕立て
  • ボルボ EX30:BEVゆえフロントフードの下は至ってシンプル
  • ボルボ EX30:フロントフード内に充電用コードを格納する
  • ボルボ EX30:きわめてシンプルなコクピット
  • ボルボ EX30:ドライバーディスプレイとセンターディスプレイを12.3インチのタブレットに集約した「コンバインド・センターディスプレイ」
  • ボルボ EX30:廃棄物となったローラーシャッターなどの破砕物を練り込んだパーティクルパネル
  • ボルボ EX30:ドアパネルにもリサイクル素材が用いられる
  • ボルボ EX30:BEVゆえに室内のセンター部もシンプル
  • ボルボ EX30:小物入れは格納式となっている
  • ボルボ EX30:ピクセル3Dニットの生地を用いたシート
  • ボルボ EX30:ピクセル3Dニットの生地を用いたシート
  • ボルボ EX30:ラゲッジルームは過不足ない「ちょうどいい」サイズ感
  • ボルボ EX30:インテリアは北欧の自然をイメージしたテーマに合わせてカラーコーディネート。試乗車のテーマは「ブリーズ」
  • ボルボ EX30:乗り心地については、路面の凹凸をコツコツ拾ってしまう傾向もあるものの、これまでに乗ってきた、より大柄なボルボたちを凌ぐようにも思われる剛性感もあって、不快感は皆無
  • ボルボ EX30:スロットルで車体の動きをある程度のレベルまでは保持できるシャシーバランスの良さも印象的だった
  • ボルボ EX30:現時点で日本でラインアップされるのは、69kWhバッテリーを搭載するRWDの「EX30シングルモーター エクステンデッドレンジ」のみ

ボルボの雪上試乗イベント「EX30 Winter Drive」参加レポート

2023年6月にワールドプレミアを果たし、翌年早々には日本にも正規導入が始まった「EX30」。ボルボ史上もっとも小さなSUV、そしてもっとも小さなBEV(バッテリーEV)として、すでになかなかの人気を博しているモデルです。導入から約1年を経た2025年2月、という雪上試乗イベントに参加。試乗コースとなったのは、新潟県と長野県をまたぐ地域の一般道と高速道路。冬の豪雪に見舞われ、どこへ行っても壮観な雪景色でした。

ボルボ最小のバッテリーEV、EX30ってどんなクルマ?

自宅から徒歩圏にボルボのショールームがあるせいかもしれないが、このところ筆者の住む地域でも「EX30」のスタイリッシュな姿を見る機会が、急速に多くなっている気がする。

コンパクトSUVのカテゴリーに属するというEX30のボディサイズは、全長4235mm×全幅1835mm×全高1550mm。日本の立体駐車場に収まる全高は、ボルボ・カー・ジャパンが本国に提起した希望が受け容れられた結果ともいわれている。

BEVとしてのパワートレインは、容量51kWhあるいは69kWhのリチウムイオンバッテリーと、1基または2基のモーターを搭載。その組み合わせにより、本国では3つのグレードが設定されるそうだが、現時点における日本市場でラインアップされているのは、69kWhバッテリーを搭載するRWDの「EX30シングルモーター エクステンデッドレンジ」のみとなるという。

このモーターの最高出力は272ps(200kW)で、最大トルクは343Nm。車両重量は1790kgという、ボディサイズのわりにはなかなかのヘビー級ながら、シングルモーター仕様でも0-100km/h加速5.3秒という、まずまずの高性能を発揮する。バッテリー容量は前述のとおり69kWhで、1回の満充電で走行できる距離は560km(WLTCモード)とのことである。

また、フロントアクスルにもモーターを与えてAWDとした「EX30ツインモーター パフォーマンス」も国内デビューの段階から追加設定が伝えられてはいたものの、現時点では日本での正式リリース時期について公表には至っていないようだ。

北欧の自然をイメージしたナチュラルなコクピット

したがって、現状では1グレード体制で販売されていることになるが、このモデルにおける最大のトピックは、北欧の自然をイメージしたという2種類のトリムが設定されたインテリアにある。

いずれも、シート素材やダッシュを上下に分かつパーティクルパネルには再生可能な素材やリサイクル素材を使用し、北欧の自然をイメージしたテーマに合わせてカラーコーディネート。

さわやかな夏の日をイメージし、ピクセル3Dニットのシート生地に、廃棄物となったローラーシャッターなどの破砕物を練り込んだパーティクルパネルを持つ「ブリーズ」。および、夜明けの光に切り取られた朝霧の美しさを表現し、テイラードウール・ブレンドのシート生地に亜麻繊維を織り込んだパーティクルパネルを組み合わせた「ミスト」が設定されるが、この日AMWチームにご用意いただいたEX30は前者、「ブリーズ」仕様であった。

ここで正直にいうと、筆者は30余年の免許歴を有するわりには、本格的な雪道でクルマを走らせた経験はせいぜい数回程度。ましてBEVでの雪道ドライブは、まったくの初チャレンジであった。そしてもうひとつ、今さらながら吐露してしまうと、ハイパワーのBEVとは実はあまり相性が良くない。長年、感覚神経に染みついてきた内燃機関自動車の加速感とはまったく異なる、無音・無振動のまま直線的に猛然と加速する走りに自立神経を逆なでされてしまいそうな感覚があり、なかなか好きになれないのだ。

それゆえ、ことEVについては「そこそこの」パワー・トルクのクルマを好ましいと受けとめがち。でも、雪道というクルマの本質が現れやすいステージで初ドライブすることになったボルボ EX30は、個人的にもとてもナチュラルで気持ちの良いEVと感じられた。

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