2025年はロードスター・パーティレース ジャパンツアーシリーズに参戦
2023年に「ロードスターカップ」で公式レースデビューを果たした20代自動車ジャーナリストの筆者。2024年はロードスターカップ全4戦に、1.5チャレンジクラスでフル参戦しました。2025年シーズンはどうしようかと考えた結果、戦闘力アップした大幅改良後のマツダ「ロードスター」で「パーティレース ジャパンツアー」に参戦することを決意! 今回はマシン製作の様子をお届けします。
最新のロードスターNR-Aを導入してレース仕様に仕上げることに
2025年シーズンは、全8戦(有効ポイント6戦)ある「ロードスター・パーティレース」のジャパンツアーシリーズを追いかけようと決めた筆者。有効ポイントを考えると6戦以上は参戦したい、そして気軽に練習にも行けるようにしたい。そう考え、レース仕様の車両をマイカーとして導入することにした。
すでに出来上がっている中古車を購入しようとも考えたが、大幅改良を受けた新型「ロードスター」と昨シーズンにバトルし、そのポテンシャルの高さは肌で実感していた。「新型だったらもっといい成績だった……」そんな言い訳をしたくないので思い切って新型を購入し、レース仕様に仕上げることにした。
NDロードスターの場合、競技ベースグレードである「NR-A」を購入して、オーナーがロールバーやバケットシートなど競技に必要な装備を装着する必要がある。筆者もちょっとしたDIYは行うが、ここまでの大がかりな作業はしたことがなく、レース仕様への変更は正直ひとりでは成し遂げられない。
なので今回はスーパー耐久への参戦経験があり、個人でドライビングのコーチングやナンバー付きレース車両製作などを行っているSentireMotorsports 野村 充選手に手を借りた。
装着するのはロールバー、シート、シートベルトなど
まず今回新たに装着するパーツを確認。自由にチョイスできるシートはBRIDEのZETA IVを選択。イベント会場などで実際に試座してもっともしっくりきたのがこのモデルであったのが決め手で、BRIDEのラインアップのなかでももっとも日本人の体形にあったフォルムとなっている。シートは正確なドライビングにとても重要なパーツなので試せる機会が多いのは嬉しい。
シートベルトはCUSCO製をチョイス。ベルトを締める調整箇所が黄色で見つけやすく引っ張りやすい形状になっていて、レーシンググローブを装着しても使いやすいのが選んだ理由だ。今回の作業での大物であるロールバーもCUSCO製で、こちらは指定部品となっている。
そのほかの変更部品は、指定部品でブレーキパッドはENDLESS製、タイヤはブリヂストンのRE004となっている。
最大の難関はロールバーのパッド巻き……
最初に行うのがロールバーの仮組みだ。内装とシートを取り外して、いったん全部ロールバーを組んでみて、位置を決めて装着に必要な箇所に穴を開けるための目印をつける。この際、干渉する部分のアンダーコートも剥がして位置を決める。正確な位置に穴を開けるためにも一度全部組む必要があるのだ。
位置を決めたら実際に穴を開け、その他にも干渉する内装は最低限だが削ったり、切り取ったりといった作業を実施。必要な作業とはいえ、2024年式の新しい愛車を削ったりするのは少し気が引ける……。しかし、そんなことを言っていては始まらないので、ここは腹をくくるしかない。
そして、今回の作業で一番困難を極めた……というか一番時間がかかったのが、ロールバーのパッド巻きだ。まずボルト取り付けのためのブラケットなどがなく、パッドを切らずにそのまま装着が出来る箇所はベビーパウダーとシリコンスプレーで滑りを良くしてパッドを滑らせて進ませていく。これができる箇所はスムーズにいった。
問題はロールバーパッドを切って装着しなければいけない部分だ。切ったロールバーパッドを巻き付けて、切断部を瞬間接着剤で繋ぎ合わせるのだが、これがとても気が遠くなる作業であった。一番長いフロントケージ2本と次に長いリアバーはパッドを切らなければ装着できない。正直、今回の作業で8割くらいこの作業をしていたのではという気がする。最初は調子がいいが、ずっと続けていると握力がなくなってきて繋ぎ合わせるのがスムーズにいかなくなるし、瞬間接着剤で指がカピカピになった。