AZ-1の兄弟車であるキャラに魅せられて
マツダ「AZ-1」の兄弟車、スズキ「キャラ」。誕生から30年以上が経ち、希少価値が増すこのクルマに、ひと目惚れして購入を決意したのが27歳の“オールドスモール”さんです。ネットで見た瞬間に衝撃を受け、「これは運命」と直感したといいます。理想の仕様を求め、手に入れた特別な1台。その魅力や走り、そして旧車オーナーならではの苦労とは?
ネットで見て衝撃を受けて、購入へ
1993年式のスズキ「キャラ」で、2024年10月6日に富士スピードウェイのP7駐車場で開催された第16回 自美研ミーティング&第4回 商用車ミーティング関東に参加していた、“オールドスモール”さん。写真を一見して別の車名を思い浮かべた方もいるかもしれないが、キャラはマツダ「AZ-1」のOEM車として販売されたモデルとなり、エクステリアの一部を除きAZ-1と同様のモデルとなっている。現在、27歳の“オールドスモール”さんが生まれる以前に発売されたモデルだが、なぜこのクルマを知り購入することになったのだろうか。
「もともと小さいクルマが好きで、いつかホンダ ビートに乗れればいいな、くらいに思っていました。でも、ネットで旧車を探していたときにAZ-1を見て衝撃を受けたんです。こんなにコストがかかったクルマは、おそらく今後手に入れられないと思いました。購入したのは3〜4年前ですね。たまたま中古車サイトでこのクルマが掲載されていて、“これは運命かもしれない!”と思って見に行ったんですよ」
フォグなしのAZ-1バンパーが決め手
ショップで実車を見たキャラは、ほぼ“オールドスモール”さんの理想通りの仕様だったため、購入することに。その内容は、キャラの標準装備であるフォグランプ付きのフロントバンパーが、フォグなしのAZ-1純正バンパーに変更され、さらにM2のリアウイングが装備されていたというものだった。
「スポーツカーとしては、余計なものが付いていないほうが良かったので、フォグランプがないのは理想的でした」
ところで実際に所有してみた、キャラの印象はどうだろうか?
「クイックな反応で、クルマってこんなに機動性が良いもんなんだと驚きました。スズキ ジムニー(現在も所有)に乗っていた影響もあるんですが、キャラとは対照的な性格のクルマでしたね。排気量は同じなのに、こんなに速いんだ! と思いました。でも、それと同時にジムニーのことももっと好きになりました。
このクルマを後世に残したい
理想のキャラを手に入れ、走りにも満足している“オールドスモール”さんだが、1993年式という年式ゆえに、パーツ探しやメンテナンスには苦労しているという。
「外装パーツはもう生産されていないので、頑張って中古サイトなどでワンセット集めました。ほかのパーツもいろいろとストックしています。AZ-1、キャラのオーナー界隈は、みんなで協力して維持していこう、という意識が強いんですよ。たとえば、ワイヤーを大量生産するから、みんなでお金を出し合ってやりましょうとか。SNSを通じたオーナー同士の絆は強いですね。こうした繋がりがとても大切だと感じています。
購入時の走行距離は2万6000kmでしたが、極力乗らないようにしています。それというのも、このクルマを後世に残すという使命を、僕は受け取ったのだと感じているからです」
>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)