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辛口モータージャーナリストが、新型「アルカナ」を試す! ルノーが日産とは別に開発したハイブリッド「E-TECH」の実力を長距離試乗でレポートします

辛口モータージャーナリストが、新型「アルカナ」を試す! ルノーが日産とは別に開発したハイブリッド「E-TECH」の実力を長距離試乗でレポートします

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TEXT: 斎藤慎輔(SAITO Shinsuke)  PHOTO: 宮越孝政(MIYAKOSHI Takamasa)

  • ルノー アルカナ:2022年2月に日本導入され、2024年10月にマイナーチェンジを受けた
  • ルノー アルカナ:日本市場ではFFモデルのみがラインアップされる
  • ルノー アルカナ:マイナーチェンジでエンブレムが最新のフラットデザインに変更された
  • ルノー アルカナ:ルノーのスポーツ志向のグレードに冠されることになった「エスプリ アルピーヌ」
  • ルノー アルカナ:装着されていたスタッドレスタイヤは、ヨコハマゴムのアイスガード7で7.5Jの標準ホイールに225/45R19の純正サイズ
  • ルノー アルカナ:マイナーチェンジでエンブレムが最新のフラットデザインに変更された
  • ルノー アルカナ:スポーティな雰囲気でコーディネートされたコクピット
  • ルノー アルカナ:輸入車の中でルノーだけのフルハイブリッドシステムを備える
  • ルノー アルカナ:エンジン側に4速トランスミッションを採用し、モーター側にも2速ギアを与えて、その組み合わせで実質12段という変速比構成が可能になっている
  • ルノー アルカナ:ステアリングの左側にはACC関連のスイッチ類
  • ルノー アルカナ:ステアリングの右側にオーディオ関連のスイッチが配置される
  • ルノー アルカナ:ダッシュ右端のスイッチ類
  • ルノー アルカナ:マイナーチェンジで、エンジンを優先的に作動させて駆動用バッテリーの電力を温存するE-SAVEモードを備えた
  • ルノー アルカナ:空調関連は物理スイッチで操作できる
  • ルノー アルカナ:アルピーヌの名を冠してスポーティなシートが奢られる
  • ルノー アルカナ:リアシートにもアルピーヌを象徴するブルーのアクセント
  • ルノー アルカナ:直4の1.6L自然吸気エンジンに49psのメインモーターと20psのサブモーターの2モーターを組み合わせる
  • ルノー アルカナ:装着されていたスタッドレスタイヤは、ヨコハマゴムのアイスガード7で7.5Jの標準ホイールに225/45R19の純正サイズ
  • ルノー アルカナ:後輪側の落ち着きから得られる安心感に、これはラクだと思わせるのだった
  • ルノー アルカナ:試乗車はエスプリ アルピーヌのE-TECHフルハイブリッド。車両本体価格は499万円(消費税込)

ルノー独自の「E-TECH」とドッグクラッチを組み合わせるクーペSUV

ルノーのクーペSUV「アルカナ」は、独自のシリーズパラレル式フルハイブリッドシステム「E-TECH」を搭載したうえに、4速トランスミッションとドッグクラッチを組み合わせたユニークなパワートレインが自慢。2024年10月にマイナーチェンジを受けた最新仕様に乗り、モータージャーナリストの斎藤慎輔氏が雪国まで長距離試乗を行いました。今回はまず、往路のドライ路面での走行性能が、どれほど洗練されたのかを検証します。

雪道はクルマの運動性能の素性を知る格好のステージ

3月に入ってからも、強烈な寒の戻りで大雪に警戒といった話が何度か伝わってきているが、この冬は雪にまつわるニュースが例年よりも多かったように思う。北海道や東北の日本海側、上越、中越、北陸、山陰など、多くの都市や生活圏でも豪雪による交通障害、高速道路や幹線の予防的通行止め、建物被害、住民の疲弊などが重ねて伝えられていたのは記憶に新しい。

もっとも、積雪量で話題になるのは、青森県の八甲田山系にある酸ヶ湯温泉だったり、山形県の大蔵村の肘折温泉、前述の温泉地と違ってアメダスの観測地点ではないが、じつは積雪量隠れ日本一ではないか言われる山形県の月山志津温泉だったりする。こうした豪雪で有名な温泉地などでは、冬場はむしろ雪が降ってくれることが望まれることもある。ウィンタースポーツの場であることもそうだし、豪雪が観光客を呼び寄せることにもなっているからだ。

筆者は、大の温泉好きで、それも雪景色を見ながらというのが一番と思っていることもああって、そうした温泉地には毎冬に何度も出向いてきている。同時に、それは絶好の試乗の機会ともなっている。長時間・多環境で乗ることができるうえに、雪道ではクルマの運動性能の素性から、暖房や窓の曇り具合など空調性能に至るまでをよく知れる、何よりの評価の場となってくれるからだ。

FFのアルカナにスタッドレスタイヤを装着して北国へ

この試乗を兼ねて雪の温泉地に何度も出向くのが、毎冬のいわばライフワークでもある。この冬も何回か雪国や雪の温泉地に出かけたが、今季に限らずそうした際に試乗するクルマは、大半が4WD仕様だった。

そもそも降雪地に出かけるとなれば、当然スタッドレスタイヤあるいはウィンタータイヤ、あとはスノーフレークマークを与えられたオールシーズンタイヤを装着しているのが条件となってくるが、そうなると、メーカーが用意してくれている試乗車も、ほぼ4WDモデルに限られることになりがちだ。

そうした中、ルノー・ジャポンが「アルカナにスタッドレスタイヤ装着車を用意しました」というではないか。「アルカナ」は前輪駆動仕様のみの設定だし、これは雪の中に持っていかない手はない。ちなみに、これまでルノー・ジャポンが日本市場向けに用意した4WDモデルは、2009年から2016年まで導入していた「コレオス」だけ。当時の日産「エクストレイル」とプラットフォームからパワートレイン、4WDシステムまで、機能部分はほぼ共用のCセグメントSUVであった。

曖昧感がほとんどない快活な走行フィール

日本仕様のアルカナのパワートレインは2種あり、直4の1.3Lターボエンジンに5psという小出力のモーターを組み合わせたマイルドハイブリッドと、直4の1.6L自然吸気エンジンに49psのメインモーターと20psのサブモーターの2モーターを組み合わせた、輸入車の中でルノーだけのフルハイブリッドがある。

この「E-TECH」と呼ぶフルハイブリッドは、日本には2022年4月発売のアルカナを皮切りに、「ルーテシア」や「キャプチャー」にも搭載されてきた。ルノーが、日産が先に開発していた、発電専用エンジンによる電力でモーター駆動のみで走らすシリーズハイブリッドのe-POWERの技術を打診された際に、これは欧州には向かないだろうと採用を見送ったことは後に伝え聞いてはいたが、その時期と被っているかどうかは不明ながら、まったく独自のシリーズパラレル式フルハイブリッドシステムを鋭意開発していたのだった。

このE-TECHが極めてユニークなのは、2モーター式ハイブリッドにあって、エンジン側に4速トランスミッションを採用し、それをドッグクラッチと組み合わせているところにある。ギア間のステップ比が大きい4速ギアでも、モーター側にも2速ギアを与えて、その組み合わせで実質12段という変速比構成が可能になっている。とはいえ、発進から常用域ではモーターのみのEV走行モードとなることも多く、エンジン走行の際も必要に応じモーターのアシストが働くわけだから、12段もの変速を頻繁に繰り返しているわけではない。

その一方で、電気CVTのような無段変速を採用するハイブリッドとは違って、走行負荷の変化で、エンジン回転がとらえどころなく高まっていったり下がったりするような曖昧感がほとんどない。これが快活な走行フィールをもたらすことになっている。

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