ジウジアーロの名作を彷彿させるデザインもお洒落
SDVと聞いてもピンとこないガラケーユーザーにとっても、試乗コースに佇むmibotは、1台のクルマとして見てなかなか魅力的だろう。その前後対称のように見えるデザインは、ジウジアーロ・デザインのスズキ4代目「キャリイバン」を連想させるレベルの高いもの。
かつての原付カーといえばどうしても軽便さと引き換えに走行性や快適性に目をつむった「ガマンの乗り物」といったイメージがついて回り、また、その高い志に対しプロダクトとしての完成度が追いついていないという例も少なくなかったが、このmibotは一見しただけでプロダクトとしての完成度がとても高い印象。
じつはKGモーターズの開発スタッフは、かつてはヤマハやマツダといった大メーカーで辣腕を振るってきたプロフェッショナルたちであると聞けば納得だ。
2025年10月以降に量産化予定、予約はすでに2000台近く
mibotのボディサイズは全長2490mm×全幅1130mm×全高1465mm。モノコックフレームにEPP(発泡ポリプロピレン)やポリカーボネートといった軽量素材を多用しつつ低重心化を達成したとされるボディは左右両側にドアを持ち、運転席後方にはリアのハッチからアクセス可能な45kgまでの荷物を積載できるスペースも設けられている。
試乗車として用意されたのはT1と呼ばれる試作モデルで、この後、量産を目指したT2、T3と改良試作が続けられていくとのこと。
基本的な運転はD-N-RのダイヤルをDに入れ、あとはアクセルとブレーキの操作のみ。限られた条件下での短時間の試乗ではあったが、加速やブレーキの効き、コーナーでの挙動など、想定された60km/hまでの速度域であれば何の不安も感じなかった。2025年の10月以降の量産化を目指しているというKGモーターズのmibot。ちなみに価格は110万円(消費税込)を予定しているとのこと。
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SNSやYouTubeチャンネルなどでの積極的な情報発信で多数のフォロワーを獲得し、すでに2000台近くの予約を受注しているというから、製品の完成度はもちろん広報プロモーション戦略まで、そのクレバーな仕事ぶりはいかにも現代のスタートアップ企業らしい。これからもKGモーターズの小型モビリティロボット、mibotには要注目だ。
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