ランボルギーニ エスパーダは高値安定傾向が続く?
2025年2月6日、ボナムズ・オークション社がパリ「レトロモビル」に付随して開催した大規模オークション「LES GRANDES MARQUES DU MONDE À PARIS(パリに集う世界の偉大なブランドたち)」では、V12+FRランボルギーニを代表する1台として、1972年型の「エスパーダ」が出品されていました。今回はそのモデル概要と、注目のオークション結果について紹介します。
2+2ではなく、正真正銘の4シーターV12ランボとは?
ランボルギーニ「エスパーダ」は、4LのV12ユニットをフロントに搭載するフル4シーターGT。フェラーリが常に2+2モデルしか持っていなかったことから、ランボルギーニはフル4シーターモデルをベルトーネとともに開発することにした。
そして、前後席をカバーする巨大なガルウイングドアと巨大なグラスルーフを持つ、未来感あふれるコンセプトカー「マルツァル」を経て、1968年のジュネーヴ・ショーにて正式デビューを果たしたのが「エスパーダ400GT」である。
マルツァルが「ミウラP400」用のV12を半分にカットした2L直列6気筒DOHCエンジンをリアに横置きするRR駆動だったのに対して、エスパーダは320ps(シリーズ1)を発生するV型12気筒4カムシャフト3929ccユニットを、長大なノーズ先端に近い位置に縦置き。ランボルギーニの開祖「350/400GT」以来のFR駆動レイアウトとした。
シリーズ総計で約1200台が生産された
そして、それまでの2+2モデル、400GTおよび「400GTイスレロ」よりも10cm長い、2650mmのホイールベースの延長分はすべてキャビンの拡充に充てられ、全高わずか1185mmながらフル4シーターを実現していたことは、まさしく驚きに値するだろう。
もちろんマルチェロ・ガンディーニの作品であるボディは、マルツァルのそれをほぼ踏襲したプロポーションを持つが、左右のドアやウインドウグラフィックはコンベンショナルなものとされている。
いっぽうインテリアは、当時のランボルギーニのフラッグシップらしく、きわめて豪華なものに仕立てられている。また、エアコンディショナーやパワーウインドウはもちろん、ファーストオーナーの意向次第ではTV受像機やミニバーなどのオプションも装着できた。
エスパーダはクラシック・ランボルギーニとしては、「カウンタック」(シリーズ総計で約2000台)に次いで、2番目に生産台数の多いモデルとのこと。1968年から1978年の約10年間に、3世代(シリーズ1:1968~1970年、シリーズ2:1970~1972年、シリーズ3:1972~1978年)にわたって、シリーズ総計で1217台(ほかに1227台説などもあり)が生産されたといわれている。