フランスで時を過ごしてきたエスパーダSr.3
このほどボナムズ「LES GRANDES MARQUES DU MONDE À PARIS 2025」オークションに出品されたエスパーダは、このモデルとしては最終型にあたるシリーズ3。350psにパワーアップしたV12エンジンとパワーステアリングを装備する、究極のエスパーダでもある。またシャシーナンバーは「9240」、エンジンナンバーは「41177」で、いずれも新車時代からナンバーマッチしている。
ランボルギーニの世界的権威であり、ボナムズ社のコントリビューターとしてヒストリーを担当するオリヴィエ・ナメッシュ氏のレポートによると、この個体は1973年10月27日付けで当時の輸入代理店「ガレージ・テペニエ(Garage Thépenier)」を介して、フランスに新車として引き渡され、ムッシュ・カシールなる人物が最初に所有したとのこと。オリジナルのカラースキームは、シルバー・メタリックにブラック本革レザー内装の組み合わせだったとのことである。
それ以降の歴史についてはボナムズの公式カタログにも記されてはいないものの、今回のオークション出品者でもある現オーナーがこのエスパーダを購入したのは、2000年ごろとのこと。そして彼の所有中に行われた作業の請求書は、インテリアの張り替えに約5000ユーロ、2010年から2022年にかけて行われた機械的作業に5万ユーロ以上、2019年から2022年にかけてのボディワークの修復に8万ユーロ以上が費やされていることを証明している。
ただ、ここ数年間は静態展示されていたようだが、最近になって現オーナーのコレクションを管理しているプロのメカニックによって始動された。
エスティメートを超える価格で落札!
これらの作業に関連する請求書は、すべて出品車両に添付されたファイルに収められているほか、フランスの車両登録履歴書「カルト・グリーズ(Carte Grise)」のコピー、ナメッシュ氏が作成した車両レポート、そしてこのエスパーダがフランスのマルセイユで登録された際、2000年4月に発行された車検証(Contrôle Technique)なども、同じファイルに収められている。
長年にわたって施してきたメンテナンスや、レストアの仕上がりに確たる自信を得ていた現オーナーは、ボナムズ社の営業担当者と相談のうえ、10万ユーロ~13万ユーロ(邦貨換算約1600万円〜約2080万円)という昨今のこのモデルとしても少々強気に感じられるエスティメート(推定落札価格)を設定。それでも2025年2月6日に行われた競売では、エスティメート上限を超える13万8000ユーロ。現在のレートで日本円に換算すると、約2230万円というけっこうなハンマープライスで、無事落札されることになったのである。