希少な三菱エクリプスを30年所有
「これは一体、何のクルマだ?」と、首都高で目にした黒いボディのスポーツカーに心を奪われた石川政美さん。調べてみると、それは三菱「エクリプス」でした。北米生まれの個性的な1台に惚れ込み、ついにオーナーに。30年にわたる愛車との歩みを振り返ります。
首都高で偶然見た黒いスポーツカーにひと目惚れ
2025年10月20日に埼玉県で開催された昭和平成懐かしオールドカー展示会に三菱「エクリプス」で参加していた石川政美さん。このクルマを購入した当時、石川さんはさまざまな車歴を経て国産セダンに乗っていた。しかし、物足りなさを感じ、具体的な車種を決めずにスポーツカーを探していたという。そんなある日、首都高で隣に並んだ黒いボディのクルマを見てひと目惚れ。それが、エクリプスだった。
エクリプスは、北米において三菱とクライスラーの合弁会社「ダイアモンド・スター・モーターズ」によって開発されたモデルだ。リトラクタブルヘッドライトを備えた初代モデルは1980年代後半に登場。石川さんが所有する1995年式は、1990年代半ばに発売された2代目となる。日本仕様では2L直4ターボエンジンを搭載し、クーペとスパイダーの2種類がラインアップされていた。
「首都高で隣を走っていた黒いクルマを見て、こんなのがあるんだ。カッコいいなと思ったんですよ。しかも、誰も乗っているのを見たことがない。それで三菱のマークを見つけて、“あれ? これ、三菱で売ってるんだ”と驚きました。スパイダーもあったんですけど、スパイダーはATだけだったんですよ。なので、MTのあるクーペを選びました。当時もスパイダーはわりと多かったのですが、クーペのMTは珍しかったですね」
さまざまな変遷を経て、現在の姿に
所有して30年の間にさまざまなカスタムを施したが、現在は純正のフロントスポイラー、VERTEC VRSホイール、アメリカで製作した車高調、ミラー、オーディオを含むインテリアカスタム程度にとどめている。これはカスタムした箇所をノーマルに近い仕様へ戻していった結果だという。なお、ボディペイントは新車購入当初のままキープしているそうだ。
「年齢的なこともありますが、やはり長く乗るにはノーマルが一番いいかなと思っています。シートもバケットを入れたんですが、結局は元に戻しました。部品も手に入りにくくなっていて、オークションには多少出ているものの、必要なパーツが見つからないことが多いですね。フロントスポイラーは壊れやすいので予備を持っています。MTに載せ替えようとする人もいますが、もともとの台数が少ないのでほとんど見つからないでしょう」
現在、エクリプスの走行距離は約13万km。これからは何よりも維持することに力を入れていきたいと石川さんは語る。購入当初は通勤にも使用していたが、現在はイベントなど特別な時にしか乗らず、大切に動態保存をしている。
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