旧車好きのこだわりカスタムとは
1968年式のシボレー「C10」が埼玉県で開催された昭和平成懐かしオールドカー展示会に参加していました。しかし、ボンネットを開けると、V8エンジンの上にキャブがない? 代わりに現れたのはインジェクター。この年式にインジェクション仕様はないはず……。オーナーの澤田 律さんが語る、その驚きのカスタムとは?
イベントで知り合ったアメリカ人から購入
ボンネットをオープンした状態で展示されていたシボレー「C10」。いわゆるシボレーのフルサイズピックアップで、外観を見ると1960年代後半から1970年代前半まで販売されていた2代目のモデルだ。しかし、2025年10月20日に埼玉県で開催された昭和平成懐かしオールドカー展示会に参加していたC10のエンジンルームを覗いてみると、V8エンジンの上にあるはずのキャブとエアクリーナーが見当たらない。
代わりに、両バンクに4個ずつのインジェクターが確認できた。しかし、この年式にインジェクション仕様はないはずだ。そこで、1968年式のシボレー C10のオーナーである澤田 律さんに話を伺うことにした。
「並行してシボレー C1500のレギュラーショートも持っているんですが、6年前にイベントに参加したとき、このクルマを見つけたんですよ。オーナーはアメリカ人だったんですけど、シボレー シルバラードの2001年式だったかな、それのエンジンとトランスミッションを丸ごと移植してあって、いずれこういうのを作りたいんだって話をしていたら、“そんなに欲しいんだったら譲るよ”ってことで手に入れたんです」
ハイテク化で普段乗りができるクルマへ
1960年代のモデルに21世紀のエンジン(ECU)とトランスミッションを移植しているため、キャブではなくインジェクション仕様になっているというわけだ。ちなみにトランスミッションはヘビーデューティ仕様で、デフも強化タイプ(LSD)が装着されていた。この仕様をベースに、澤田さんはエンジンをオーバーホールしハイカム化。さらにアッパーアームを変更して足まわりなど、各部のバージョンアップも行っている。
「もうちょっと車高を落とした方がたしかにカッコいいんですけど、この状態でも擦ることがあるので、難しいですね。この年式はリアがリーフじゃなくてコイルを使っているので、コイルだけで車高が調整できるんです。
ただ、さすがにCノッチは必要ですけどね。アッパーアームを交換したのはキャンバーの調整のためです。ホイールが干渉してしまうので。基本的にはショーカーではなく、旧車の外観はそのままに、普段乗りができる仕様というのがポリシーです」
今後はさらに足まわりを追求したい
内装に関しても、シートやカーペットを新しくし、動かなくなったメーター類は外観をそのままに、中身だけダコタデジタルに交換。さらに、助手席側には追加メーターもセットされている。旧車のスタイルに現代の技術を投入することで、快適性も向上させた(エアコンはないそうだが)。そんな澤田さんのC10だが、これで完成というわけではないようだ。
「あまり進化はしないと思いますけど、もう1回、ちょっと車高を詰めたいなとも思ってるんです。これで乗った感じもいいいんですけど、やっぱりもう少し下げたらもうちょっとカッコよくなるかなと。エアサスは1990年代の初期に苦い経験もしているので、ショックで煮詰めたいんですよ。もう3回やりましたけれども、バランスが難しいですよね」
>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)