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フェラーリ「12チリンドリ スパイダー」はGTとしてロールス・ロイス級の心地よさ…スポーツカーとしてはもはや敵なしの跳ね馬でした

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TEXT: 西川 淳(NISHIKAWA Jun)  PHOTO: Ferrari N.V.

  • フェラーリ 12チリンドリ スパイダー:インテリアはほぼ左右対称のコクーンスタイルと呼ばれるデザインを採用。助手席前にもディスプレイが備わる
  • フェラーリ 12チリンドリ スパイダー:ヘッドレスト一体型のシートにはレザーを採用。リサイクルポリエステルを65%用いたアルカンターラを採用するなど、最新モデルらしくサステナビリティにも注力されている
  • フェラーリ 12チリンドリ スパイダー:最高出力830ps/最大トルク678Nmを発揮する6.5L V12エンジンをフロントミドに搭載
  • フェラーリ 12チリンドリ スパイダー:車両重量はクーペの+60kg、先代の812GTSの+35kgとなる1620kg
  • フェラーリ 12チリンドリ スパイダー:ルーフ開閉時間は14秒、走行中でも時速45km/h以下なら開閉可能
  • フェラーリ 12チリンドリ スパイダー:リアのウインドウも開閉可能。ルーフを閉めた状態でウインドウのみをオープンにして走る“カリフォルニアモード”も楽しめる
  • フェラーリ 12チリンドリ スパイダー:812シリーズの後継として、F1で盛り上がるマイアミで世界初公開された新たなフラッグシップのオープンモデル。12気筒モデルとして初めてクーペとオープンが同時に発表されている
  • フェラーリ 12チリンドリ スパイダー:1968年デビューの365GTB/4ベルリネッタにインスパイアされたフロントデザイン。4輪独立操舵(4WS)も備える
  • フェラーリ 12チリンドリ スパイダー:トランクリッドにはアクティブエアロを装備。アンダーボディも効率的にダウンフォースを発生するようにデザインされている
  • フェラーリ 12チリンドリ スパイダー:ボンネットとフロントフェンダーを一体化したスタイルを採用。ちなみにボンネットは「エンジンベイの眺めを堪能できるよう」にとフロントヒンジが採用されている

最良のGTでありかつ最高のスポーツカー

フェラーリのフラッグシップの2シーターFRのオープンモデル、「12(ドーディチ)チリンドリ スパイダー」にポルトガルの首都リスボンで試乗しました。フェラーリ自らが“最もフェラーリらしいロードカー”とする、12気筒を積んだモデルのオープン版の走りをお伝えします。

“最もフェラーリらしいロードカー”のオープンバージョン

日本語であえて記せば“フェラーリ12気筒”というネーミングである。イタリア語に敬意を表して「ドーディチ チリンドリ」と日本でも呼ぶことになった。ちなみに英米では「トゥエルブ シリンダー」と呼ぶ。

ちょっと言いづらくて、イタリア人から発音を習って何度も練習したのが2024年4月に行われたマラネッロでのプレスプレビューのこと(全員がスムーズに言えるようになるまで結構時間がかかったものだ)。5月にはマイアミでワールドプレミア。ベルリネッタ(クーペ)とスパイダーが同時に発表され、9月にはクーペの国際試乗会がルクセンブルグで開かれている。そして2025年2月。そろそろクーペのデリバリーも始まる頃合いというタイミングで、マラネッロはスパイダーの試乗会をリスボンで催した。

「812」シリーズの後継となるフラッグシップの2シーターFR、ドーディチ チリンドリは、最良のGTでありかつ最高のスポーツカーであるというポジションを極めるべく誕生した。つまりそれはマラネッロの市販車ラインアップにおいて “核心”=ブランドのステートメントモデルである。要するに彼らの考える“最もフェラーリらしいロードカー”がドーディチ チリンドリなのだ。1947年にモデナとマラネッロで創業したこのブランドにとって、当初からV12を積む2シーターのFRスポーツカー&レーシングカーがブランドイメージを確立した立役者であったのだから、それもまた当然のことだろう。

V12エンジンに8速DCTを組み合わせる

「812コンペティツィオーネ」用F 140HB型の改良発展版であるF140HD型V12エンジンが完全フロントミドに積まれ、トランスアクスル式8速DCTを組み合わせている。

排気量6.5LでVバンク角65度、最高出力830psといった数値をHBから受け継ぐが、HDでは最高許容回転数を9250rpmから9500rpmにまで引き上げた。逆に最大トルク値は排ガス対応のため少し落として678Nm。もっとも低回転域におけるトルク特性を再セッティングし、アスピレーテッド・トルク・シェイピング(ATS)なる秘密兵器も付け加えたことで、最大トルク値の減少などまるで気にならないことは、ルクセンブルクでの試乗ですでに確認済みだ。

スパイダー化にあたって、オープンシステムの搭載やルーフからリアまわりのデザイン変更はもとより、Bピラーとロールバーの間にアルミニウムの連結材を挿入するなどボディ補強も行われた。とはいえ、マラネッロの開発陣が新たに手をつけた部分は、シャシーセッティングを含め、さほど多くはない。

裏を返せば、このプラットフォーム世代となって3モデル目(F12、812、ドーディチ チリンドリ)であり、クーペとスパイダーのセットメニューもすでに812で経験済みだったから、2021年に始まった開発に当初から反映された経験と知見も多かったということ。

ちなみに重量増を抑えることは(いつものことながら)最重要課題であった。クーペからは+60kg、先代に当たる812GTSからは+35kgという重量増にとどまっている。

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