販売開始からわずか1年でテコ入れ
コンパクトSUVのホンダ「WR-V」が2025年3月6日、一部改良と特別仕様車「ブラックスタイル」の設定を発表しました。エントリーグレードのXが約210万円というリーズナブルな価格設定で人気車種となったWR-Vですが、スズキ「フロンクス」が登場するなど市場競争が激化したことで、登場から1年で一部改良を行い、商品力をアップさせています。
今回一部改良を行ったのはZとZ+の2グレードのみ
2023年12月に発表され、2024年3月から販売開始したコンパクトSUVのホンダ「WR-V」。エントリーモデルのXが209万8800円(消費税込/以下同)からという低価格が話題となりヒットモデルとなった。
2025年3月6日、WR-VがエントリーグレードのXを除くグレードの一部改良を行うと同時に、特別仕様車「ブラックスタイル」の発売を発表した。車両本体価格はZグレードが239万8000円。特別仕様車のZ ブラックスタイルが248万3800円、Z+ブラックスタイルが258万600円となっている。なお、Z+とXの一部改良モデルは2025年夏頃の発売予定となっている。
今回の一部改良でZとZ+はインパネ下部とリアドアにソフトパッドを追加。さらにZ+では内装にブラウンのフルプライムスムースシートを採用することで、上質な空間を演出するだけでなく、乗り心地も向上させている。
また、特別仕様車のブラックスタイルを含むZ以上のグレードでは新色の「オブシダンブルー・パール」というボディカラーを設定した。
特別仕様車のブラックスタイルが誕生
Z+の特別仕様車の「ブラックスタイル」は、内外装ともにブラックを基調としたパーツを採用することで、SUVらしい力強さはそのままに、より洗練されたスタイルとなった。
「ブラックスタイル」の主な装備は、アウターハンドル、シャークフィンアンテナ、17インチアルミホイール、コンビシート(プライムスムース×ファブリック〈ブラックステッチ〉)、本革巻ステアリングホイール、ソフトパッド、アームレスト付きセンターコンソールボックスなどとなっている。
Zグレードの一部改良前の価格が234万9600円だったが、今回239万8000円と4万8400円高となっている。ソフトパッドが追加され上質な空間となったが、この価格の上昇分を納得できるかどうかがポイントといえるだろう。
AMWノミカタ
インドで生産されて輸入されているコンパクトSUVのWR-V。当然ながらライバルはバックボーンが似ているスズキ フロンクスとなる。フロンクスは現在1年近い納車待ちとなっているという。フロンクスの人気の理由は降雪地向けの4WDがあることも一因だが、2WD車が254万1000円、4WD車が273万9000円で、ナビゲーションなども含まれており、オプション装備を付けなくても満足度が高いことがポイントだ。
今回WR-Vは内装の質感向上を目指して一部改良を行い価格も上昇した。その結果、フロンクスと同じ装備にするとさらに価格差が生じることとなった。購買層が価格に敏感なモデルだけに、今後セールスにどう影響するのか注目したい。