ポップなEVが若者のクルマ離れを解消するか?
最近のフランス車やイタリア車はデザイン性が大幅に向上しており、走っていると目を引く車種が増えました。私は原色派なので、そのカラフルなデザインを見て楽しい気分になりました。ドイツでも、若者のクルマ離れが問題視されている中でこうしたポップなEVがきっかけとなり、若者たちがクルマに興味を持つようになるかもしれませんね。
すでに内燃機関のフィアット「500」は製造販売が終了しましたので、新車や新古車を求める人は在庫車を選ぶしかありません。じつは500は本国イタリアよりもドイツでの売り上げが多く、老若男女に人気で、街中でもよく見かけます。しかし、AT免許専用の私には少し残念で、実際に見るとその大半がMT車なのです。ドイツではここ10年ほどでAT車も増えましたが、コンパクトカーの大半は未だにMT車で、しかもMT車は割高です。
アバルト 600eの価格に思わず驚愕
アバルトコーナーに行くと、紫色のアバルト「600e」が目に留まりました。去年から発売されているようですが、まだ公道で見かけたことがありません。店員さんいわく、
「これはロケットのようにめちゃくちゃ速いですよ! 4ドアで広いしカッコいいし、速いのに、なぜか売れません」
と。展示モデルの価格が5万800ユーロ(約820万円)のところ、4万8290ユーロ(約748万円)と、約2500ユーロ(約40万円)の割引が適用されていました。それでも約748万円というのは、かなり高額です。こういったマニアックな車種は万人受けしないため、ターゲット層を絞って販売されることになるでしょう。先に見学したe-C3の価格のほぼ倍の価格だったので、驚きました。
私を含む現行内燃機関オーナーの多くは、EVがどんな感じなのか試乗してみたいと思っていてもなかなかその機会がありません。自動車評論家やジャーナリストの記事やYouTubeを参考にするしかなく、EVについての実体験をする機会が限られています。空港跡地などで行われる車両の乗り比べや充電体験ができるイベントがあれば、EV時代の到来に向けて、少しずつ準備ができるかもしれませんね。