ギア感を強めた新グレード「オーバートレイル+」を設定
レクサスのフラッグシップSUVの「LX」が2025年3月6日、一部改良を実施し、新ハイブリッドシステムを搭載した「LX700h」が追加されました。また、従来「オフロード」と呼ばれていたグレードが「オーバートレイル+」に変更され、専用の内外装に加えて専用装備を採用し差別化を図っています。
一部改良でガソリン車は従来モデルより200万円アップ
2021年に登場したレクサスのフラッグシップSUVの「LX」が2025年3月6日に一部改良を行った。さらに新ハイブリッドシステムを搭載した「LX700h」を3月24日から販売開始する。
車両本体価格は、3.5L V6ツインターボエンジンを搭載する「LX600」が1450万円〜2000万円。新グレードの「LX700h」は1590万円〜2100万円(すべて消費税込)。LX600は一部改良前より200万円の値上がりとなった。
まずは新モデル、LX700hについて紹介する。LX700hはLX600に搭載している3.5L V6ツインターボエンジンと10速ATの間にクラッチを使用する「モータージェネレーター(以下MG)」を配置したレクサス初のパラレルハイブリッドシステムを採用したのが特徴だ。エンジン+モーターの高出力・大トルクを確実に伝えるとともに、シチュエーションに応じてエンジンのみ/モーターのみへの走行の切替をハイブリッド制御システムが最適にコントロールする。
また従来のレクサスパラレルハイブリッド車には装備されないオルタネーターとスターターを標準装備。万が一ハイブリッドシステムが停止した場合にもスターターでのエンジン始動が可能だ。またオルタネーターで発電した電力を12V補器バッテリーへ供給することでエンジンのみでの退避走行を可能とする、レクサス初のシステムとなっている。
退避走行中もトランスファーLoレンジの使用やアクティブハイトコントロール(AHC)により車高調整、A-TRACの作動が可能となっており、高い悪路走破性を実現している。
ハイブリッドのメインバッテリー本体は、上下に分割した防水トレイでパッキングする防水構造を採用し、エンジン車同等の渡河性能700mmを確保している。万が一防水トレイ内に水が浸入した際にはトレイ内に配置した被水センサーが検知、メーター表示によるドライバーへの注意喚起を行う。
ACインバータ搭載で災害時も活用可能
また、センターコンソール下に配置したACインバータ(防水構造付)によって、1500Wまでの給電が可能。センターコンソール後部とデッキにコンセントを配置することで利便性も高めており、さまざまなアクティビティや災害時の非常用電源としても活用できる。
MGの追加により重量が増加し、かつ全長が伸びたパワートレインを搭載するために専用のクロスメンバーを新設、断面と板厚を最適化し薄型形状とすることでエンジンモデル同等の最低地上高を確保。また。パワートレインの重量増に合わせて、リアエンジンマウントの材質もより耐久性の高いものに変更するなどGA-Fプラットフォームに改良が加えられている。
さらに走行性能の向上を目指して、ほかのレクサスモデルで実践しているラジエターサポートまわりの剛性向上を、今回のLXでも採用している。その結果、ステアリング操作に対するリニアな反応を実現するとともに、補強部材をパッチ形状とすることでホイールアーティキュレーションを維持、悪路走破性を犠牲にすることなく操舵応答性を向上させている。
加えて、フレームにボディをマウントするためのキャブマウントクッションについても構造を刷新。フレームとボディがこじる動きをする際の結合剛性を向上させることで、フレーム車特有のブルブルとした低周波の振動をよりいっそう低減、フレーム車の利点である高い堅牢性やロードノイズ遮音性はそのままに、すっきりとした乗り心地を実現した。
そしてAVSアクチュエータ部のバルブ構造を見直し、路面の段差通過などでアブソーバーが急に縮む際の減衰力をなめらかにコントロールすることで、突き上げ感を抑えたなめらかな乗り心地を実現している。