BMWアルピナ「B3 GT/B4 GT」が国内デビュー
従来の「BMWアルピナ」の枠組みとコンプリートカーの生産が2025年いっぱいで終了することが発表されているなか、2025年2月23日に東京・等々力のニコル「アルピナ世田谷ショールーム」にて、BMWアルピナ「B3 GT/B4 GT」が日本初披露されました。実質的な最終モデルである2台が上陸し、歴史の転換点を象徴するものとなったようです。
この期に及んでも「アルピナマジック」を追求
BMWアルピナ伝説の最終章を飾る「B3 GT/B4 GT」は、これまでの「B3/B4」に搭載されていた直列6気筒3.0L の「ビターボ」エンジンに、さらに34psのパワーを上乗せ。529psの最高出力と730Nmの最大トルクを発揮すると公表されている。またエンジンマッピングをさらに見直した結果、市街地でのスムーズな加速や高速道路での全開全負荷時など、ドライブトレインの優れた特性を際立たせたという。
そのかたわら、おなじみ「アルピナマジック」を最後まで進化させるために、ショックアブソーバーは新開発のものに変更。とくにリアダンパーは、ボディ結合部との剛性を高めるなどの手を加えたいっぽう、エンジンフードを開けると目にすることができる新機軸「ドーム・バルクヘッド・レインフォースメント・ストラット」はフロントエンドの剛性をさらに高め、ステアリングの精度を著しく向上させたという。
くわえて、これまでBMWアルピナ B4専用だったモダンなデザインのアルピナ・オリジナル20インチ鍛造ホイールが、B3 GTにも標準装備化。きわめて繊細なデザインのスポークにはダイヤモンドカットが施され、ロック可能なホイールハブカバーに向かってスポークの立体感が強調されている。B3 GT/B4 GTともこのホイールはGT専用のデザインカラーである「オロ・テクニコ」で仕上げられ、ダイヤモンドカットの美しい断面と妙なる調和を披露する。
ファイナルモデルはアルピナらしい控えめなアピール
ちなみにこの「オロ・テクニコ」の差し色は、有名な「アルピナ・ストライプ」をはじめとするエクステリアやインテリア、さらに前述の「ドーム・バルクヘッド・レインフォースメント・ストラット」にも使用され、記念すべきファイナルモデルであることをアンダーステートメント(控え目)にアピールしているあたりは、いかにもアルピナらしいといえよう。
現代のプレミアムブランドの多くでは、この種のファイナルモデルをレーシーなハードコア志向に仕立て上げるのが常道となっているようだが、従来の枠組みによるBMWアルピナのファイナルモデルが、明快なグランドツアラー志向を打ち出してきたのは、まさしくボーフェンジーペン家とアルピナ技術陣の矜持だったのだろう。