大賞を獲得したコンパクトEVの実力とは
「ルノー5 E-TECHエレクトリック」は2025年ヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したモデルです。ドイツ・ミュンヘン在住の池ノ内みどりさんは、ディーラーでこのモデルをじっくり見学することに。気になる走行性能やデザインをショールームで確認してきました。
航続距離は比較的長い約410km
気になるEV(電気自動車)の第3弾は、ヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤー2025の大賞を獲得したルノー5 E-TECHエレクトリック(アルピーヌ「A290」も同時受賞)です。数年前のル・マン24時間レースのパドックで、アルピーヌ「A290」のコンセプトモデルが展示されているのを見て、兄弟車のルノー5 E-TECHエレクトリックもデザイン的に気になっていました。
近所のルノー販売店の店頭に2台、店内にも1台が展示されていましたので、実車を見せていただきました。鮮やかな緑色のクルマはあまり見かけないので、最初に目を引きました。名前がみどりなだけに、できればこのR5のようなビビットな色のクルマが欲しいのです(笑)。
ちょうど金曜日の夕方、同じ通りにあるスーパーマーケットに立ち寄ったついでに訪れたこともあり、店員さんはとても忙しそうでした。「ご自由にご覧くださいね~」とおっしゃっていたので、遠慮なくじっくりと観察しました。ルノー5 E-TECHエレクトリックは受注が始まったばかりで、公道を走る姿はまだ見かけませんが、このデザインが走っていたら、目を引くことは間違いないでしょうね。
事前にルノーのウェブサイトやル・マンでコンセプトモデルを見ていたので、おおよそのイメージは持っていましたが、実車は想像以上にかわいらしいものでした。最高出力150ps、最高時速150km、航続距離約410kmと、コンパクトEVの中では比較的長い航続距離を誇ります。エクステリアの随所に数字の「5」がデザインされており、ラッキーナンバーが5の方にはぴったりのクルマと言えるでしょう。
ニュルブルクリンクもEVで行ける?
このグリーンの5 E-テックの展示車の価格はオプション込で3万2600ユーロ(邦貨換算約530万円)と予想よりも予想よりも高額でした。。店頭の資料によると、航続距離約300km、最高出力95psの「アーバンレンジ」というモデルなら、本体価格2万4900ユーロ(邦貨換算約405万円)からとなり、少し手頃な価格帯となっています。その中間グレードとして、航続距離312km、最高出力122psのモデルもラインアップされています。
たとえば、私は年に何度もニュルブルクリンクへ行きますが、自宅からの片道距離は約530kmです。EVで行く場合、途中で少なくとも1回の充電が必要になります。もちろん、ガソリン車でも1~2回は休憩を取りますが、トイレ休憩やコーヒーを飲む程度で充電を待つ時間はありません。
また、ニュルブルクリンク周辺にはいくつかの充電ステーションがありますが、高級サーキットホテルにはともかく、私がいつも宿泊するホテルには充電設備がありません。一晩充電するためにクルマを停めると、ホテルまで徒歩で戻るのは難しいので、困りものですよね。
ヨーロッパの都市部と同様に、ミュンヘン市内も細く狭い道が多いため、コンパクトカーを選ぶ人も少なくありません。私の場合、街の移動手段としてはママチャリを使っています。コンパクトカーよりもさらに小回りが利き、燃費も抜群です。おまけに、多少のダイエット効果も期待できます。シュトゥットガルトのように坂が多い街なら話は別ですが、ミュンヘン市内ではほぼフラットな道ですので、ママチャリはとても大活躍しています。