30年経ても色褪せないその魅力とは
2025年のジャパンキャンピングカーショーで、多くの来場者の目を引いた1台がありました。それは、トイファクトリーが約30年前に製造した「リンドバーグ」です。トヨタ100系「ハイエース」をベースに作られた生産第1号車は、今なお輝きを放っています。30年の時を経ても色褪せないその魅力とは何なのでしょうか。そして、このクルマが再び展示された理由とは?
ブースの中央に展示されていたのは100系ハイエースのキャンピングカー
2025年1月31日~2月3日に千葉県・幕張メッセで開催された「ジャパンキャンピングカーショー2025」。
トイファクトリーのブースを訪れると、ブース中央の一段高い場所に誇らしげに展示されたトヨタ100系「ハイエース」のハイルーフが目に入る。
車内を覗くと、中古のキャンピングカーであることがわかる。ボディは非常に良好な状態を保っているが、内装は使用感こそあるものの、状態は良好だ。しかし、単に中古のキャンピングカーを展示しているわけではなさそうだったため、スタッフに話を聞いた。
「このクルマは当社が今からおよそ30年前に製造したリンドバーグというキャンピングカーの第2号車そのものです。縁あって当社が再び所有することになったため、今回の30周年記念の一環としてジャパンキャンピングカーショーで展示することにしました」
トイファクトリーが手がけた最初のモデルの生産第1号車
展示されていたのは、「LINDBERGH(リンドバーグ)」と名付けられた、トイファクトリーが初めて手がけたキャンピングカーの生産第1号車である。ベースとなったのは1996年式のハイルーフ・スーパーロングで、100系ハイエースの中でも最も車内の広いモデルだ。この新車をベースにシートや家具を組み込み、コンプリートカーとして販売しはじめた記念すべき個体である。
車内に設置されたセカンドシートとサードシートは、現在のREVOシートの原型となったモデルで、当時は海外製のものを輸入して取り付けていたという。そのほかのテーブルや家具のほとんどは木製であり、古さを感じさせることなく、むしろ豪華に見えるほどだ。
30年が経過した今でも色褪せない魅力的な車内
キャンピングカーでありながら、オドメーターの値は20万kmオーバー。このキャンピングカーのオーナーは、この30年でさまざまな場所を巡ってきたのだろう。今回は最低限の手直しを施した状態で、30周年という記念すべきタイミングで展示されることとなった。しかし、車内はまるで時間が止まっているかのようであり、内装は若干の劣化こそ見られるものの、ほとんど納車当時のままの状態を保っていた。
30年が経過した今でも、このクルマはキャンピングカーとして完成されており、その魅力は色褪せていない。トイファクトリーが30周年を迎えるにあたり、原点を振り返るこの展示は多くのギャラリーの注目を集めていた。