日本のアバルト界は世界でも有数のハイレベル!
2025年3月20日(春分の日)、国内最大のアバルト愛好家クラブにして、本国のアバルト公式クラブの「クラブ・アバルト・ジャッポーネ(Club ABARTH Giappone)」は、富士スピードウェイ・ショートサーキットにおいて「Gran Premio SCORPIONISSIMA(グランプレミオ・スコルピオニッシマ)」を開催。アバルトには格別の想いを抱くAMW取材チームも現地に乗り込み、予想以上の感動を得ることになりました。
若きエンスージアストたちが率いるクラブ・アバルト・ジャッポーネ
今回のイベント開催に際して「クラブ・アバルト・ジャッポーネ」が命名したタイトルの「SCORPIONISSIMA(スコルピオニッシマ)」とは、イタリア語で「サソリ」を意味する「Scorpione(スコルピオーネ) に、絶対最上級を形成する「~issima」を付け加えた造語。すなわち「もっともアバルトらしい」や「すごくアバルトっぽい」という意味が込められているとのことである。
同クラブは、ともにまだ30歳代という松井大祐さんと原田徹也さんの若き親友コンビが共同会長を務めるいっぽう、昭和の時代から日本のアバルト界を支えてきた重鎮たちが後見人として若手をサポートするという、とても好ましい体制が築かれている。
そして、これまで3度にわたり「アバルト・クラシケ(クラシック・アバルト)」によるサーキット・デモンストレーションを披露。日本国内のみならず海外のアバルト愛好家たちからも大きな反響を得てきたのだが、とくに今回は「CLUB ABARTHにしかできない、アバルトらしいイベント」を指針に掲げ、クラブ主催のサーキットイベントが実現に至った。
こうして開催された「グランプレミオ・スコルピオニッシマ」は、開祖カルロ・アバルトの情熱や哲学を次世代へ受け継ぐことはもちろん、彼とその仲間たちが作った名作たちを、あくまで動態保存することを目的とした走行会として、富士スピードウェイ・ショートサーキットを丸1日占有し、サーキット走行はもちろん、クラブミーティングの場としても多くのエントラントが楽しめるような企画として、多くのクラブメンバーを募ったとのこと。
参加資格があるのは「クラブ・アバルト・ジャッポーネ」会員が所有するアバルト。あるいは、クラブ理事会でとくに認められた車両のみとされたものの、そのエントリー台数は約50台におよび、クラスは「Gr.A」から「Gr.E」まで5つに分けられていた。
珠玉の新旧アバルトたちが大集結
まず「Gr.A」は、いわゆる「クラシケ(Classiche:クラシック)」。この日の最古参である1956年式のフィアット「600アバルト750デリヴァツィオーネ」にくわえて、フィアット アバルト「750GTザガート」やフィアット アバルト「1000ビアルベロ」、あるいは「アバルト シムカ2000」など、カロッツェリア製のアルミボディを持つレーシングGTや、1966年に2台のみが作られたという幻のレーシングスポーツであるフィアット アバルト「1300SP」なども、このクラスに組み入れられていた。
いっぽう「Gr.B」は、「アバルト124スパイダー」や「アバルト プント」など現代のアバルトたち。「Gr.C」は、「フィアット アバルト124ラリー」やフィアット「131アバルト・ラリー」にくわえて、理事会で承認されたアルファロメオなども参加していたが、なんといってもアバルト製の元WRCワークスカーである「ランチア037ラリーEvo2」が、抜群の存在感を示していた。
「Gr.D」は、フィアット600ベースのアバルトたちが集結。フィアット アバルト「850/1000TC」系がズラリと並んだうえに、「イル・モストロ(怪物)」として知られるフィアット アバルト「1000ベルリーナ コルサ ラディアーレ(1000TCR)」は3台が揃い踏み。また、可愛いチンクエチェントがベースのフィアット アバルト「595」も2台が並んだ。
そして「Gr.E」は現代版「アバルト500」とその係累たちがエントリーしたが、そのなかにはかつて全日本ラリー選手権にて、眞貝知志選手とともに大活躍した「アバルト500R3T」も含まれるという充実ぶり。「クラブ・アバルト・ジャッポーネ」のレベルの高さを如実に示すラインナップに、これから始まる走行会への期待感は大いに盛り上がったのである。
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