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アバルトの神マシンが降臨! 日本とは思えない光景にファンも歓喜…手作りイベントの域を超えた「グランプレミオ・スコルピオニッシマ」とは

アバルトの神マシンが降臨! 日本とは思えない光景にファンも歓喜…手作りイベントの域を超えた「グランプレミオ・スコルピオニッシマ」とは

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: 武田公実(TAKEDA Hiromi)/AMW 米澤 徹(YONEZAWA Toru)

世界でも稀有な「アバルトSP祭り」が実現

3月20日の朝7時、富士スピードウェイのゲートが開いた直後にショートサーキットを訪れると、すでにパドックには複数の新旧アバルトとそのドライバーやメカニックたちが集まり、サーキット走行への準備を始めていた。

なかでも注目すべきは、フィアット「アバルト1300SP」。1960年代末に市販された1000cc版の「1000SP」でも超レアと称されるに相応しいのに、さらにこちらはワークスチーム用に2台のみが製作されたレーシングスポーツである。長年日本に生息しながらも、この10年以上も姿を見せることのなかった1300SPが、日本でサーキット走行を披露するというだけでも充分に見ごたえのある走行会……、と思っていたのだが、これはぜいたくながら、あくまでプロローグだったようだ。

ドライバーズミーティングのあと、いよいよ走行がスタート。クラブメンバーはサーキット慣れした人が多いせいか、順調にスケジュールが進んで行く。でもその傍ら、なぜかパドックの一角に人だかりができている。近づいてみると、2021年にワンオフの試作車が発表されたのち、2022年から世界限定5台のみ製作・販売された「アバルト クラシケ1000SP」の姿が……! このサプライズには、クラブメンバーもゲスト参加者も大喜びだったものの、真のサプライズはこのあとに控えていた。

アバルト「3000スポルト・プロトティーポ(SP)」が降臨

10時を過ぎたあたりで、再びパドックは大騒ぎ。見れば、あらゆるアバルトのなかでも伝説的、もちろんこれまで日本の地を踏んだことのなかった3000ccクラスのFIAグループ6マシンのアバルト「3000スポルト・プロトティーポ(SP)」が降臨し、さっそくメカニックたちの手でV8エンジンを始動。叩きつけるようなサウンドを轟かせたのだ。

この日ステアリングを委ねられたのは、日本人レーシングドライバーとしては初めてル・マン24時間レース総合優勝を勝ち取った関谷正徳氏。ただ、アバルトと関谷さんといえばあまり関りがなさそうと思われがちながら、じつはこの日の会場である富士スピードウェイ・ショートコースの設計者であるとともに、現代アバルトのオーナーのために開催されてきたステランティス・ジャパン公式のドライビングスクール「アバルト・ドライビングアカデミー」の主任講師として、カリキュラムも作成した人物。これまでにも新車/クラシケの双方で日本のアバルト愛好家たちとの親交が深いことから、この名誉あるドライビングを担当することになった。

そして往年のアバルトのポスターを思わせるような、高い位置から参加車両全台を収めた記念写真を撮影したのち、いよいよ関谷氏による3000SPのデモランがスタート。その雄姿とサウンドに、会場はすっかり魅了されてしまった。

アバルトファンであれば、この場に居合わせるだけでも終生の記憶に残るのは間違いない。そして特筆すべきは、これがクラブメンバーたちによる手作りのイベント……、ということである。

だから新旧問わず、アバルトのいずれのモデルであっても所有している方には、「クラブ・アバルト・ジャッポーネ」に入会されることを、心よりお薦めしたいと思ってしまったのである。

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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