パリを舞台にランボルギーニ・エスパーダのオークション対決が実現?
クラシック/コレクターズカー・オークション業界最大手のRMサザビーズ欧州本社が2025年2月4〜5日に開催した「PARIS」オークションでは、同じくパリにて翌2月6日に開催されたボナムズ「LES GRANDES MARQUES DU MONDE À PARIS」オークションにも出品されたランボルギーニ「エスパーダ」が登場。高級車オークション業界の二大巨頭による、時ならぬ競演となりました。
ライバルのフェラーリにもなかった、フル4シーターを実現
ランボルギーニ「400GTエスパーダ」は、アウトモービリ・ランボルギーニ社がまだその開祖であるリーダー、フェルッチオ・ランボルギーニの所有と経営のもとにあった1968年のジュネーヴ・ショーにてワールドプレミアに供された。
「400GTイスレロ」「P400ミウラ」とともに生産されたエスパーダは、ランボルギーニらしいひねりを加えた4シーターのグランドツアラー。パワートレインは、V型12気筒4カムシャフト3929ccユニットを、長大なノーズ先端に近い位置に縦置き。ランボルギーニの開祖「350/400GT」以来のFR駆動レイアウトとする。これはパッケージングについての新しいアプローチに積極的だったパオロ・スタンツァーニ技師にとっても、非常にアグレッシヴな試みだったようだ。
いっぽう、カロッツェリア・ベルトーネのチーフスタイリスト、のちに巨匠として知られることになるマルチェッロ・ガンディーニが手がけたスタイリングは、エスパーダにきわめて薄くて流麗なロー&ワイドのプロフィールを与えていた。
そして、それまでの2+2モデル、400GTおよび「400GTイスレロ」よりも10cm長い、2650mmのホイールベースの延長分はすべてキャビンの拡充に充てられ、全高わずか1185mmながらフル4シーターを実現。当時のイタリアではプレステージカーとしても受け入れられることになるのだ。
インテリアは、当時のランボルギーニのフラッグシップらしく、きわめて豪華なものに仕立てられたうえに、エアコンディショナーやパワーウインドウはもちろん、ファーストオーナーの意向次第ではTV受像機やミニバーなどのオプションも装着できたという。
そして、1970年に発表された改良型のランボルギーニ「エスパーダ セリアII」では、フロントグリルのデザインが変更されるとともに、V12エンジンはシリーズIの320psから350psまで引き上げられ、インテリアにも多くのアップデートが施された。