2L ターボエンジン搭載のシルビア
毎月第3日曜日の早朝になると、東京の奥多摩湖の駐車場にどこからともなく旧車が集結します。じつはこれ、地元では知る人ぞ知る月例ミーティング「東京旧車会ミーティング」なのです。そこで年の瀬迫る2024年12月15日に早朝の会場で出会った気になる1台にフォーカス。今回は、実際にはラインアップされていない2L ターボエンジン搭載の日産「シルビア」を紹介します。
仲間も認める特別なシルビア
会場を歩いていると、以前紹介した日産「ガゼール」の猿谷さんと本間さんに再会した。その際、両名に紹介してもらったのがワインレッドの1980年式の日産「シルビア」である。オーナーの伏木さんは、1979年式のシルビアも所有しているという大のシルビアファンであり、このクルマは特に「特別な存在」なのだという。詳しく話を聞いてみた。
「20歳の頃にも同じS110型シルビアハッチバックに乗っていたことがありました。その当時のスタイルを再現したクルマを作りたくて、現在所有しているクルマとは別に約12年前に入手しました。選んだパーツは、当時自分が装着していたものや憧れていたものばかりです。探し出すのにはかなり苦労しました」
足元には最近見かけることが減ってきたホシノレーシングを装着。さらに内装に目を移すと、フルカバードのMOMO製ステアリングに、オートルックのシフトノブとシフトブーツを装着。こうして外観はまるで1980年代からタイムスリップしてきたかのような1台ができあがったのだ。
こだわりのチューニングを施したスペシャルエンジン
伏木さんのシルビアのすごいところは、見た目だけではない。話を聞けば聞くほど、マニアックなチューニングが施されていることがわかる。そのヒントとなるのが、リアトランクの「TURBO」エンブレムであるという。
「じつは、前期型にターボモデルは存在しないんです。このTURBO 2000 ZSE-Xというグレードもありそうですが、実際には存在しません。このクルマは前期型の2000 ZSE-Xというグレードで、本来NA 2LのZ20型エンジンが搭載されています。しかし、このエンジンをベースに、後期型の1.8LターボであるZ18T型用のヘッドやターボ一式を移植することで、2Lターボ化しています。それから、S110型シルビアシリーズでは唯一、1.8Lエンジン搭載車のみ5速トランスミッションがローバック(左手前が1速)なので、これも移植しています。ただ、どちらもよっぽど詳しい人じゃないと見破れないと思います」
>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)