約18年間ノーマルを維持するギャラン ラムダ
草刈正雄主演のドラマ『華麗なる刑事』の劇中車として注目を集めた三菱「ギャラン ラムダ』。そのドラマを観て憧れていた女性が、大人になってついに実車のオーナーに。購入からおよそ18年間、どのようなドラマがあったのでしょうか。
子どもの頃に憧れていたギャラン ラムダを入手
毎月第3日曜日の早朝に東京・奥多摩湖の駐車場には、どこからともなく旧車が集結。じつはこれ、地元では知る人ぞ知る「東京旧車会ミーティング」。2024年12月15日(日)の会場を歩いていると、なんともアメリカンなスタイルの正体不明な1台を発見。エンブレムを頼りに、それが三菱「ギャラン ラムダ」であることがわかった。オーナーは女性の町塚さん。顔出しはNGだが、「話だけなら」と快く取材に応じてくれた。
「子どもの頃にドラマに登場していたこのクルマにひと目惚れして、それ以来ずっと好きだったんです。小学生の頃はディーラーに行ってカタログをもらったり、プラモデルを買って喜んでいました。そして、2008年に売りに出ているのを見つけ、免許を取得してすぐに購入しました。
買ったときから状態は良くずっと乗り続けてきたのですが、2022年にドアを壊してしまい……。部品取り車を手に入れて、ようやく修理が終わったところなんです。久しぶりに乗ることができました」
北米でも人気となったスタイリッシュなデザイン
三菱自動車から1976年にデビューしたギャラン ラムダは、日本の市販車として初めて角目四灯ヘッドライトを採用。また、リアのラップアラウンドウインドウなど、アメリカ車のデザインに強く影響を受けたスタイルが特徴的だ。実際、北米市場では三菱と提携していたクライスラーのブランドから、「プリムス・サッポロ」や「ダッジ・チャレンジャー」としてOEM販売され、日本だけでなくアメリカでも人気を博したモデルである。
町塚さんが所有するのは、1978年式のギャラン ラムダ 2000スーパーツーリング。リアウインドウ前にあるロールバーのようなアルミのガーニッシュや縦型のサイドウインカーは、この2000スーパーツーリングのみが持つ特徴だという。
何も足さず、何も引かずが町塚さん流の付き合い方
町塚さんは購入してから現在に至るまでの約18年間、ほぼ手を加えていない。足まわりもあえてノーマルのままで、購入時から装着されていたディッシュホイールもそのまま維持している。車内も新車当時のままで、1本スポークの特徴的なステアリングやシートも純正のままキープ。とくにシートは、普段から毛布などをかけて使用し、できるだけ劣化を防ぐよう気を配っているという。
ダッシュボードに備わるオーディオも、おそらく新車当時のダイアトーン製カセットデッキ。現在はテープが動かないものの、新しいオーディオは装着していない。
「ETCもこのクルマが新しかった頃にはなかったので、あえてつけていません。長野や仙台くらいなら下道で行くので、まったく問題ないですよ」
>>>2023年にAMWで紹介されたクルマを1冊にまとめた「AMW car life snap 2023-2024」はこちら(外部サイト)