マツダ退社後に故郷の愛媛でロードスター生活を楽しむ
マツダでエンジン関連の設計エンジニアとして長年勤務し、伝説の「リバーサイドホテル」で初代ユーノス「ロードスター」の開発にも携わってきた横倉恒利さん。退職後は故郷の愛媛で悠々自適のロードスター生活を楽しんでいます。じつは現愛車のND型「NR-A」が、自身で初めて買ったロードスターだという横倉さんに、このグレードを選んだ理由を聞いてみました。
SKYACTIV設計エンジニアを経てリタイア
愛媛県新居浜市の荷内海岸にあるカフェ「みんなのコーヒー」を拠点に、時にはソロで、時にはマツダ「ロードスター」の仲間と、地元のグルメツーリングを引率しているという、“横やん”こと横倉恒利さん。この日は関西から遊びにきたロードスター仲間たちと美味しいもの巡りツーリングの最中だった。
そんな横倉さん、じつは初代NA型ユーノス「ロードスター」の開発チーム、あの「リバーサイドホテル」時代からのエンジニアのひとりである。
中学2年生の夏、新聞に掲載されていた「ロータリーエンジンの知識」という小冊子プレゼントに応募したら2日後に届いたことで、東洋工業(現マツダ)という会社は子どもも相手をしてくれるんだと喜び、そしてロータリーエンジン(RE)の虜となったそうだ。
高校を卒業後は東洋工業に就職し、念願叶ってRE研究部設計へと配属になり、6年間REエンジンの外まわりの吸気系などを設計。初代SA22C型「サバンナRX-7」のキャブレター仕様車まで山本健一部長(当時)のもとでREエンジン吸気系の設計に携わり、その道ひと筋。
そしてエンジン設計部SKYACTIV設計エンジニアを経てからリタイアしてOBとなり、45年過ごした広島から、2019年の夏に故郷である愛媛県西条市に奥さまと戻り、ロードスター生活を楽しんでいるそうだ。
土屋圭市さんのレポートを信じてND型NR-Aをチョイス
NAの開発メンバーでありながら、発売当時は結婚が重なったこともあり購入できなかったという横倉さん、この現行ND型が「初めてのロードスター」だという。
「当然NAへは思い入れがありますから、程度の良いNAを探しレストアして乗ることも考えましたが、ダウンサイジングしたSKYACTIV-G P5という1.5Lの最高にバランスがよく心地いいエンジンができ、NDともベストマッチ、終の相棒に選びました」
ロードスター選びにはNAも当然視野にあり、悩みに悩んだという。4代目となるND型が発売された2015年からは、繰り返し試乗してグレード選びに悩んだそうだ。しかし、たまたま目にした土屋圭市さんの試乗レポートがきっかけで、レースのベース車ということで試乗していなかった「NR-A」を、試乗せずに2016年に購入したのだった。
「私はドライビングを楽しむにはブレーキが一番大切だと考えていますので、NR-Aのブレーキの効きとコントロール性が気に入りました、土屋さんが書いてあったことを信じた選択は正しかったですね」