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半世紀前「BB対カウンタック」に熱狂!「将来絶対フェラーリに乗る!」と決意して自動車ジャーナリストになりました【極私的スーパーカーブーム】

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TEXT: 西川 淳(NISHIKAWA Jun)  PHOTO: Courtesy of RM Sotheby's/Ferrari N.V./Automobili Lamborghini S.p.A./AMW

  • フェラーリ 365GT4BB:2022年12月のRMサザビーズ「MIAMI」オークションにて33万5000ドル(邦貨換算約4580万円)で落札された1974年式フェラーリ365GT4/BB
  • フェラーリ 365GT4BB:公称性能値は最高出力380ps、最高速度302km/h
  • フェラーリ 365GT4BB:車名の「4」は4本カムシャフト、つまりはV型エンジンのツインカム仕様のこと
  • フェラーリ 365GT4BB:1973年に365GT4/BBの市販モデルがデビュー
  • フェラーリ 365GT4BB:2022年12月のRMサザビーズ「MIAMI」オークションにて33万5000ドル(邦貨換算約4580万円)で落札された1974年式フェラーリ365GT4/BB
  • フェラーリ 365GT4BB:1971年秋のトリノショーで発表されたフェラーリ・ベルリネッタ・ボクサー・プロトタイプbyピニンファリーナ
  • フェラーリ 365GT4BB:1971年春にランボルギーニがカウンタックのプロトタイプLP500を発表した数カ月後だった
  • フェラーリ 365GT4BB:V12エンジンをミッドマウントした、ロードゴーイングスポーツのトップモデル
  • フェラーリ 365GT4BB:365GT4/BBの純正ホイール
  • フェラーリ 365GT4BB:車名のBBはベルリネッタ・ボクサーの略
  • フェラーリ 365GT4BB:リアミドに積む180度V12エンジンは4390ccで380ps
  • フェラーリ 365GT4BB:高級感とスポーティさを当時究極まで煮詰めたインテリアデザイン
  • フェラーリ 365GT4BB:365GT4/BBのコクピット
  • フェラーリ 365GT4BB:ベリア製のメーター類。左が速度計で右が回転計、中央の上が水温計で下は油圧計
  • フェラーリ 365GT4BB:365GT4/BBのシート
  • 32万ユーロ(邦貨換算約5375万円)で落札されたフェラーリ「365GT4BB」(C)Courtesy of RM Sotheby's
  • 32万ユーロ(邦貨換算約5375万円)で落札されたフェラーリ「365GT4BB」(C)Courtesy of RM Sotheby's
  • 25万7600ドル(邦貨換算約8620万円)で落札されたランボルギーニ「カウンタックLP400S」(C)Courtesy of RM Sotheby's
  • 25万7600ドル(邦貨換算約8620万円)で落札されたランボルギーニ「カウンタックLP400S」(C)Courtesy of RM Sotheby's
  • 25万7600ドル(邦貨換算約8620万円)で落札されたランボルギーニ「カウンタックLP400S」(C)Courtesy of RM Sotheby's
  • 25万7600ドル(邦貨換算約8620万円)で落札されたランボルギーニ「カウンタックLP400S」(C)Courtesy of RM Sotheby's
  • 25万7600ドル(邦貨換算約8620万円)で落札されたランボルギーニ「カウンタックLP400S」(C)Courtesy of RM Sotheby's
  • 25万7600ドル(邦貨換算約8620万円)で落札されたランボルギーニ「カウンタックLP400S」(C)Courtesy of RM Sotheby's
  • 25万7600ドル(邦貨換算約8620万円)で落札されたランボルギーニ「カウンタックLP400S」(C)Courtesy of RM Sotheby's
  • 25万7600ドル(邦貨換算約8620万円)で落札されたランボルギーニ「カウンタックLP400S」(C)Courtesy of RM Sotheby's
  • 25万7600ドル(邦貨換算約8620万円)で落札されたランボルギーニ「カウンタックLP400S」(C)Courtesy of RM Sotheby's
  • 25万7600ドル(邦貨換算約8620万円)で落札されたランボルギーニ「カウンタックLP400S」(C)Courtesy of RM Sotheby's
  • 25万7600ドル(邦貨換算約8620万円)で落札されたランボルギーニ「カウンタックLP400S」(C)Courtesy of RM Sotheby's
  • 2016年12月に二条城で行なわれたコンコルソ デレガンツァ 京都に展示されたランボルギーニ カウンタック
  • 1973年デビューしたフェラーリ 365GT4BB(上)と、1974年に発売されたランボルギーニ カウンタック LP400

漫画『サーキットの狼』連載開始から50年! スーパーカーブームを振り返る

1970年代後半に日本を席巻した「スーパーカーブーム」のきっかけは、池沢さとし(現・池沢早人師)さんによる漫画『サーキット狼』の大ヒットでした。その連載開始が週刊少年ジャンプ1975年1月6日号(発売は前年12月10日)ということで、AMWでは2025年を「スーパーカーブーム50周年」と見立て、当時の熱狂を知る皆さんに思い出を振り返ってもらうことにしました。トップバッターは、1965年生まれでブーム世代ど真ん中のモータージャーナリスト、西川 淳さんです。

「302キロvs300キロ」で決まった人生、やがて2台とも購入!

かのブームは結果的に私の人生を決めてしまいました。小学5年生の頃に始まり、少年に「将来絶対フェラーリに乗るんだ」と決意させ、その最も近道として自動車メディア業界に潜り込むことを決断させたのですから。

というわけなので、私にとってのスーパーカーブームとは、もう「302km/h vs 300km/h」、フェラーリ「ベルリネッタボクサー(BB)」対ランボルギーニ「カウンタック」にトドメを刺すんです。はっきり言ってブームを牽引したのはカウンタックだったけれど、西川少年はそのあまりの“強さ”とキテレツさにアンチとなってしまい、フェラーリBBを夢に据えたわけです。アマノジャクですね。26歳で『カーセンサー』に入り、29歳で「365GT4BB」を買って、34歳のとき独立。フリーランスライターとして最初の連載がBBレストア記でした。

ところが。36歳のとき突然カウンタックに目覚めてしまった。否、それまで頑なに遠ざけてきたランボルギーニというブランドだったけれど、じつは大好きだったことに気づいたのです。好きなのに嫌いというのは子ども心によくある話で。なんだろ、にわかファンも含めてあまりに人気者すぎたから、避けてきたのかも知れません。

でもやっぱり好きだった。いてもたってもいられずカウンタックLP400を買うわけです。そしてこれまたレストア。2台のレストアプロジェクト、楽しかったなぁ。どこかで再公開できると面白いと思うのですが。

それはともかく、私のスーパーカーブームはだからずっと続いていた。でもって今でもスーパーカーに関する仕事が8割以上を占めているので、継続中なんでしょう。

ね、ブームが決めた人生って言えるでしょう?

今もスーパーカーブームは継続中!

ブームの頃の思い出ってじつはあんまり鮮明じゃない。写真も残ってない。ミニカーが少し。それって自分の中ではブームが終わっていなかったという証なんじゃないか、とも思っています。大切な記憶、というよりも、毎日が大事、というか。

もっというと「実車を見たい!」という欲求が昔はさほどなかった。奈良の田舎に住んでいると国道に行ったってボルボくらいしか走ってないわけです(本当は奈良にも「ミウラ」やカウンタックがいたということを後で知りました)。漫画のヒーローや怪獣の本物に直接会いたいとはなかなか思わないですよね。でもそれがかえってよかった。妄想は膨らみ、夢は頭の中で純粋培養された。だから大人になって買うという気持ちにもなれた。それが今もなお続いている。だから毎日スーパーカーのことを考え、表現し、乗って楽しむことができているんだと思います。

ボクにとってスーパーカーとは何か。形而下では“マルチシリンダーエンジン(6発、できれば8発以上)をリアミドに積む2シーターのGTスポーツカ””です。でも、そんなことはもうどうでも良くて、還暦も近くなってくると「もう一度、ギャフンと言わせてよ」という気分が強く、形而上でスーパーであることをアピールするクルマにもっと出会いたいなぁ、と思う毎日だったりするのです。

>>>それぞれの【極私的スーパーカーブーム】はこちら

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