電動メタルルーフでフルオープンになるクーペカブリオレ
2023年9月24日(日)に栃木県立日光霧降アイスアリーナを会場として開催されたイベント「第115回 Free Motor Meeting(フリーモーターミーティング)」。今回は、稀代のレア車である日産S15型「シルビア ヴァリエッタ」のオーナー石井輝雄さんにお話を伺ったので紹介しよう。
贅沢すぎた? 生産台数はわずか1120台
1999年にデビューした7代目S15型シルビアは、その走りのよさから、走り屋御用達マシンとしての印象を強めているが、電動メタルルーフを備えたクーペカブリオレ仕様も用意されていた。そのクルマこそが石井さんの愛車であるシルビア ヴァリエッタで、オーテックジャパンが企画し、NAモデルのスペックSをベースとしてオープンカーに仕立てた魅力的なクルマである。
S15型シルビアのデビュー当初、スペックSの5速MTは177万円(消費税込、以下同)、スペックRの6速MTは239万円で新車販売されていたが、2000年に登場したシルビア ヴァリエッタは5速MTが279万8000円、4速ATが289万5000円というプライスだったこともあり、セールスは芳しくなく、わずか1120台しかデリバリーされなかった。
近所の整備工場に放置されていた個体を格安で購入
「いつも通る道沿いに整備工場があるのですが、たまたまそこに2000年式のシルビア ヴァリエッタが置いてあったんです。ちょうどオープンカーを探していたときなんですよ、それを見つけたのが。すごいカッコよさだったので、シルビアのクーペカブリオレにひと目惚れしてしまいました。しばらくの間、ずっと同じ場所に放置されている感じだったので、これはお客さんのクルマではないのかもしれないぞ……と思いはじめ、あるとき店主に突撃してみました。そうしたら、コミコミ価格のノークレームだったら譲ってあげてもいい、とのことだったので、迷うことなく購入しました。8年前の話です」
そのように話してくれた石井さんによると、ビックリするほど安価だったらしい。購入当初はフルノーマルだったが、ゴテゴテしすぎない程度にカッコよく、というポリシーでモディファイを進め、現在の姿が完成したのだという。
通りすがりの人たちからも大好評
「走っていたり駐車していると、小学生のお子さんや年配の方々からカッコイイ! と声をかけてもらえます。それが愛車との一番思い出深いエピソードですね。今後、塗装をやり直しつつ、現状維持でキープしていきたいです」
過去にS13型シルビアのQ’s、R32型「スカイライン」のタイプMを愛用していたという石井さんによると、クルマは生きがいとのことなので、これからもシルビア ヴァリエッタをさまざまなシーンで走らせ、キッズやベテランたちの目を楽しませてくれることだろう。