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限定99台のアストンマーティン「DB-AR1」が登場! 世界中でヒットした『オーシャンズ12』は極上の自動車映画です【映画とクルマ】

オーシャンズ12の監督はスティーブン・ソダーバーグ

世界中でヒットを博した名作シリーズ

自動車が活躍する映画は数あれど、主要キャストに生粋のエンスージアストが居る、という設定となると、たちまちゴージャスな自動車映画に変貌してしまうこともあります。今回ご紹介する作品もそのひとつ。ジョージ・クルーニーとブラッド・ピットのW主演により世界中でヒットを博した名作シリーズの2作目「オーシャンズ12」を紹介します。

乗り手の美学、プライドの象徴

シリーズ第1作に当たる「オーシャンズ11」にて、裏社会で絶大な権力を誇るラスヴェガスのカジノ王ベネディクト(アンディ・ガルシア)のカジノから1億6千万ドルを盗み取ったオーシャン(G・クルーニー)と10人の仲間たちだが、数年後ベネディクトが彼ら一人一人のもとに訪れ、命と引き換えに奪った金と利子の返済を強要する。

だが、ラスヴェガスでのカジノ強盗を成功させたことで、アメリカ国内での大規模犯罪は困難と判断したオーシャン一味は、新たな大仕事の舞台としてヨーロッパを目指すことになった。しかし、EU国際警察ユーロポールの美しき捜査官イザベル(キャサリン・ゼタ・ジョーンズ)に加えて、オーシャンたちの上前を撥ねようとするフランスの大泥棒“ナイトフォックス”ことフランソワ・トゥルワー(ヴァンサン・カッセル)が一味の前に立ちはだかる……。

そしてこの作品を、第一級の自動車映画に仕立てた張本人こそ、敵方に当たる“ナイトフォックス”なのだ。貴族の称号を持つ裕福な実業家ながら、自身のカタルシスのためだけに泥棒稼業を続けるナイトフォックスは、オーシャンにも負けない超一流の頭脳と盗みの技術の持ち主。犯行現場に必ず小さな黒ギツネの像を残してゆくなど、自身の美学とプライドを徹底追求している人物と設定されている。

極上の自動車映画

そんな彼は、1950年代前半にル・マンを席巻したジャガーCタイプ(どうやら劇中車は英・リンクス社製の良く出来たレプリカらしいのだが……)と、アストンマーティンとカロッツェリア・ザガートのコラボレーションにより、世界限定で99台のみ製作されたアストンマーティンDB-AR1をシチュエーションによって使い分けるなど、自動車エンスージアストとしても超一流。劇中でも、2台の素晴らしい走行シーンが愉しめるのだ。

ちなみにこの作品では、当時のフォードPAG部門が車両提供を担当していたようで、XJRやXJ8など同時代のジャガー最新サルーンに加えて、往年の名作ジャガー・マーク2やディムラーDSリムジンも、オーシャンと仲間たちの愛車として登場する。つまり、最高のエンターテイメント作品であるとともに、極上の自動車映画としてもお薦めなのである。

劇中車:アストンマーティン「DB-AR1」
生産年:2003年
「ザガート」が「DB7 ヴァンテージ・ヴォランテ」をベースにボディをリデザインした99台限定のモデル。“AR”は“American Roadster”の略称。

『Ocean’s Twelve/オーシャンズ12』
公開年:2005年
上映時間:125分
監督:スティーブン・ソダーバーグ
出演:ジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、マット・デイモン

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