AMGのCクラスにPHEVの最強モデルが登場
ベストセラーサルーン、「Cクラス」のトップハイパフォーマンスモデルとなるメルセデスAMG「C63 S Eパフォーマンス」の日本販売が開始されました。新型は2L直4ターボを搭載した、システム出力680psを誇るプラグインハイブリッドの4WDモデルです。
「量産4気筒最強」の2リッターターボを搭載
メルセデス・ベンツはCクラスのトップモデルとなるハイパフォーマンスなメルセデスAMG「C63 S Eパフォーマンス」を日本でも発表した。
2021年にモデルチェンジした現行Cクラスに登場したトップモデルは、2007年に登場した6.2L(6208cc)V8エンジン搭載モデルにはじまる「63」の名称を踏襲しつつも、旧型の4L V8ツインターボから、2L直4ターボとモーターを組み合わせたプラグインハイブリッドへと進化を果たした。また、トルク可変型4WD(4MATIC+)をCクラスで初めて採用している。
ハイブリッドで「走り」を高める
「SL43」などにも搭載される、M139型エンジン(2L直4ツインスクロールターボ)は、量産4気筒世界最強をうたい2019年に登場。AMGの伝統である「One man, One engine」主義に則り、熟練のマイスターが手作業で組み上げる初の4気筒エンジンだ。最高出力476ps/最大トルク545Nmを発揮するこのエンジンには、F1由来の技術である電動ターボチャージャーが採用されている。これにより、通常の排気の流れで駆動するまでコンプレッサーホイールをモーターが加速させ、低回転域でのトルクを高めてくれる。
定格出力80kW(約109ps)、ピーク出力150kW(約204ps)のモーターはリアアクスルに配置されており、アクスルを直接駆動するためダイレクトなトラクションを得ることが可能に。また、電動シフト式2速トランスミッションやリミテッド・スリップ・デフとユニットとしてまとめられており、後輪左右への駆動力の適正配分や4輪のトラクションバランスを高めてくれる。さらに、リアにこのモーターユニットとリチウムイオンバッテリーを搭載したため、(比較的軽い直4エンジンに変更されたこともあり)前後重量が改善されているのもポイントだ。このエンジンとモーターの組み合わせにより、システム最大出力680ps、システム最大トルク1020Nmを発生。0-100km/h加速は3.4秒と、旧型のV8モデルより0.6秒速くなっている。
F1で実証されたパフォーマンス
そして駆動用のリチウムイオンバッテリーは、航続距離の最大化よりも放電と充電の速さを重視したAMGハイパフォーマンスバッテリーを搭載。F1で実証されたテクノロジーを活用し、高出力を繰り返し発生できるパフォーマンスと軽量化を実現させている。このため、ワインディングなどの走行時には上りで100%のパワーを引き出し、下りでは強力な回生ブレーキが活用できるという。容量6.1kWhとされ、パフォーマンス志向ながら15kmのEV走行も可能としており、日常生活での利便性も確保しているのも嬉しい。
この高性能を実現させるのに欠かせないのが、バッテリーセルを最適な動作温度範囲内に保ってくれる直接冷却方式だ。非導電性の液体をベースとした冷却液を循環させることで560個のセルを個別に直接冷却、充放電頻度に関係なく平均45度という最適温度範囲内に保たれ、サーキット走行などでの頻繁な加速(放電)と減速(充電)にも対応できるという。ちなみに回生ブレーキの強さは4段階に分かれており、AMGドライブコントロールスイッチで切り替え可能だ。
ドライバーの望みどおりに最適化される走り
パワートレイン以外も大幅に進化。従来の「63」はFRであったが、新型はCクラスとしても初となる前後トルク配分の連続可変を可能とした4MATIC+を搭載。前後トルク配分を0:100から50:50の間で最適なトラクションを確保する配分に連続可変してくれる。足まわりには走行状況に合わせて四輪それぞれを制御する連続可変ダンピングシステムを備えたAMG RIDE CONTROLサスペンションを装備。後輪操舵システム(リア・アクスルステアリング)も備えている。
また、統合型車両運動特性制御システムのAMGダイナミクスを採用。こちらはESPやLSD、4MATIC+などを最適化させるもので、ドライバーの入力やセンサーのデータを元にドライバーが望む車両挙動を先取りしてくれるというシステムだ。
最新の運転支援機能(インテリジェントドライブ)やARナビゲーションなどの安全・快適装備も備え、日本での車両価格は1660万円(消費税込)とされた。