イタリアでレストアされたヌォーヴァ
「フィアットピクニック」が2023年10月28日にボートレース浜名湖で開催されました。過去最高の約1400台、2500人ものフィアットオーナーが参加し、新旧フィアットが大集合。ここでは、2008年に購入した“スシオ”さんのフィアット1972年式「500R」をお届けします。
通気性を重視した夏用のシートを自作
仕事柄、数百台のクルマが集結する大規模イベントに行くと、メインの会場はもちろん、参加者たちの駐車スペースまで必ずチェックするようにしているが、フィアットピクニックにおいても隅々まで確認してみた。
その結果、「むむっ、これは!」と思うフィアット&アバルトを数台発見したが、なかでも気になったのが“アミアミシート”を持つ1972年式のフィアット「500R」だ。
編み編みの座席を持つヌォーヴァ 500といえば、カロッツェリア・ギアが少量製作したビーチカーのジョリーが有名で、あちらは濡れた水着のままでも乗車できるように籐で編まれたシートを持っている。
こちらはビーチカーではないのでオーナーのスシオさん(58歳)に確認してみたら、通気性を重視した夏用のシートで、なんと、自作したらしいのだ。
「愛車のこだわりポイントは、なんといっても純正シートの骨格を利用して自作したアミアミシートです。冬はさすがに寒いので、クッションを置き、シートカバーをかけて座っています」
神奈川から四国までヌォーヴァ旅
籐の編み編みシートならぬ自作のアミアミシートを装備しているので、完全なる趣味グルマなのかと思ったら大間違いで、スシオさんは500Rをファーストカーとして使っている。2008年に買ったときの走行距離は8万2000kmだったらしいが、普段使いをしているのでオドメーターがグングン進み、現在の累計走行距離は27万7000kmまで達しているのであった。
「もうすぐ自分で走った距離が20万kmになりますね。昔からヌォーヴァ 500に乗りたくて、15年前に買いました。私が購入したのはイタリアでレストアされたクルマで、日本に入ってきたときにひとり目のオーナーが乗っているので私が2オーナー目になります。以前、FFで排気量3リッターのV6エンジンを積んでいるアルファ スパイダーに乗っていたことがありましたが、いまは500Rしか所有していません」
一台体制なので奥さまと旅行に行く際にもアミアミシート号を使っており、フィアットピクニック開催前のタイミングとなる2023年10月に神奈川から四国まで、奥さまを助手席に乗せ、自走で行ってきたそうなのだ。
「往路は琵琶湖のあたりで1泊し、さらに岡山でも1泊して四国に入りました。復路は大阪で1泊して戻ってきましたね。今後の計画として自走での九州旅行もしてみたいです」
「ヌォーヴァ 500を買ったことで、20代のオーナーを含むクルマ関連の友人が増えたことがよかったですね。クルマは家族です」
とも話してくれたスシオさんは、ヌォーヴァ 500仲間と写真展を開催したりしているとのことだ。これからも一番の理解者である奥さまをはじめとする素晴らしい人々に囲まれながら、充実したフィアット・ライフを続けていくはずだ。