次回は年明け2月ごろに開催予定
2020年6月から一般社団法人SSP(サイドスタンドプロジェクト)が開催しているパラモトライダー体験走行会。これまで輩出したパラモトライダーは180名を超え、ボランティアスタッフは1485名にも上り、さらなる広がりを見せている。その2023年最後の走行会は、茨城県にある筑波サーキット内にあるオートレース選手養成所での開催となった。
この日も笑顔のあふれる一日となった
12月4日(月)、2023年最後となるパラモトライダー体験走行会が、筑波サーキットにあるオートレース選手養成所の駐車場およびオーバルコースで開催となった。パラモトライダー体験走行会は、レジェンドライダーとして知られる『青木三兄弟』の三男であり、WGP(世界ロードレース選手権)GP125クラスで2度の世界チャンピオンを獲得し、現在はオートレーサーとして活躍している青木治親選手が代表理事を務める一般社団法人「SSP」が主催するイベントだ。
パラモトライダーとは、身体に機能障がいを有しているライダーのことを指す。生まれつきの障がいや、事故や病気によって身体の自由が効かなくなってしまった方に向けたバイクの体験走行を行うイベントである。
2020年の6月からスタートし、これまでに30回以上の回数を重ねているこの体験走行会。バイクに乗ってもらうことで、夢をあきらめないこと。障がいを負ってもバイクに乗れることを実際に体感すること。そしてバイクの楽しさを広く体験してもらいたいという思いで、定期的に開催されている。
体験走行会では、SSP側が参加者に合わせてカスタムしたバイク、そして参加者用のヘルメットやプロテクターなどの装備も持ち込んでいるという至れり尽くせりの内容だ。参加者それぞれの障がいに合わせ、下半身不随の参加者には手元のボタンで操作するハンドシフトユニットを備えたバイクを用意したり、視覚障がいの参加者にはヘルメットに組み込んだインカムでスタッフとコミュニケーションをとりながら走行ができるようになっている。
体験走行ということで、走行は、何種類も用意した転倒防止のアウトリガーをバイクに装着し、まっすぐ走れるのか、バランスをちゃんと取れるのかといったところからチェックをしながら練習を重ねていく。バイクが不安定になる低速での発進や停止のタイミングやバイクへの移乗など必要な時はボランティアスタッフがこれを支えることになる。
今回参加したパラモトライダーは5名。そのうちの3名は視覚障がい、ほかに脊椎損傷の下半身麻痺、そして交通事故による右下腿切断による義足装着者という顔ぶれとなる。体験会はこれまで通り、基礎練習として駐車場を使ってまっすぐ走行する練習を行っていく。今回は1名がこの基礎練習を卒業し、オーバルコースでの大型車両での走行も体験できた。
もちろん、うまく走ることができて満足げな笑顔を浮かべる参加者もいれば、思った通りバイクを動かすことができず、悔しい思いをしている参加者もいる。それでもバイクに乗ることができた喜びは参加者はもちろん、この場にいたボランティアスタッフも同じだ。
今回の開催をもって2023年のパラモトライダー体験走行会は終了となった。次回は年明け2月ごろに開催を予定しているという。詳細が決定次第オフィシャルサイトで発表され、ボランティアスタッフの募集も行われる予定だ。