養蜂事業開始から5周年
ベントレーは自動車の生産だけではなく、はちみつを生産していることをご存知だろうか? これは地域の生物多様性を高めるための取り組みの一環として始められたものだが、この度、その養蜂事業開始から5周年を迎えるにあたり特別な「ブラックエディションラベル」が発表された。このベントレーのはちみつがどのような役割を果たしているのか見てみよう。
「フライング ビー」が12万匹から100万匹へ
ベントレーが養蜂を始めたのは2019年のことだ。ミツバチたちはボンネットのマスコットの名称「フライング ビー(Flying B)」にかけて「空飛ぶミツバチ(Flying Bee)」という愛称で親しまれている。
50年以上の飼育経験をもつ地元の養蜂家の手で繁殖された12万匹のセイヨウミツバチを譲り受け、わずか2箱から始まった養蜂も2023年には40万匹の仲間が加わり、合計100万匹の大集団へと成長した。
ベントレーの本社のあるエリアはミツバチが好む野の花が植えられており、またミツバチの生育に適したチェシャー州の田園地帯にも隣接しているため、養蜂に最適な環境であることも成長した要因だろう。
ブラックエディションラベル
このブラックエディションラベルは5周年を祝い、2019年の最初の2つの巣箱からのみ採取された特別なはちみつらしい。ベントレーのデザインチームも瓶のラベルを再デザインすることでこのハチミツのリブランディングに協力している。残りの15の巣箱からも約1000瓶分の通常のはちみつが採取された。
このベントレー製のはちみつ「Flying Bee」はぜひ手に入れて試してみたいところだが、残念ながら販売予定は無いという。ベントレーのイベントやカスタマーの訪問、慈善活動、そして社員の報奨金制度や表彰制度、社内の各種競技会などの機会に贈呈するという。
ベントレーの生産計画担当ディレクターであるセバスチャン・ベンドルフ氏が
「エコロジーの重要性やミツバチのような花粉媒介者が果たす役割について、人々に語ってもらうためのエキサイティングな方法」
と語るように、これを受け取った人から人へ、ベントレーの考えを「受粉」してもらうことが真の目的にあるようだ。
AMWノミカタ
自動車メーカーでの養蜂活動が流行っているようだ。英国ではロールス・ロイスやジャガー・ランドローバー、ドイツではBMW、イタリアではランボルギーニが同じような活動を実施している。
ミツバチの生息地を守り、生育できる環境を整えることが必要となるが、これにより、ハチミツを収穫できるだけでなく受粉を促しさまざまな植物の生育にも良い影響を与えるという。ワインの生産地などではミツバチを導入することによりブドウ栽培に活用しているそうだ。ベントレーにとってはこの100万匹のミツバチたちは同社の「ビヨンド100戦略」のもと、地域環境保全に貢献する有能な従業員なのだろう。