サイトアイコン AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

ホンダ「ビート バージョンZ」に新車から28年!「フルレストアしたら娘が受け継いでくれることになりました」

368台のホンダ ビート&S660が「聖地」八千代工業に集合

2022年に引き続き、2023年10月22日に行われた「THANKS! Yachiyo Industry Co., Ltd. BEAT & S660 MEETING」。全国のオーナーたちが、聖地である埼玉県狭山市にある八千代工業(株)に集結。162台の「ビート」、そして150台の「S660」、出展ショップやスタッフの愛車を含めると、総数368台のホンダ軽スポーツが集まった。

グッドコンディションの1995年式ビート バージョンZを発見

八千代工業駐車場で、それぞれのエリアに分かれて展示されている色とりどり、そして個性豊かなビートとS660たち。その中で、落ち着いたボディカラーでありながらも存在感を放っているビートが気になり近づいてみると、ナンバープレートも2桁のままだった。

この「エバーグレイドグリーンメタリック」というボディカラーは、ビート最後の特別仕様車である「バージョンZ」のもの。オーナーは、新潟県から参加の“ボッチとし”さんだ。1995年に愛車となってから28年というから、もちろん新車時からの所有である。

「ミッドシップのレイアウトでオープンカー、維持費も軽自動車ということで負担も普通車よりはかからないというのもあり、購入して現在に至っております。そうそう、納車されて2週間経ったときに生産中止の発表があったのには驚きましたね」

ボディショップカミムラでフルレストアして綺麗な姿に

それにしても、30年近くもの月日にもかかわらず、維持方法や保管状態が良かったのか、ノーマル然としたエクステリアは抜群に綺麗なコンディションだ。

「いえいえ、これはですね、傷みのあったボディを補修に出したんですよ。すると、あれよこれよとダメな部分が出てきまして、結局、鈑金作業というよりフルレストアになりましたね」

と“ボッチとし”さんは笑う。

「なにしろ、冬になると雪が降る地域に住んでいるものですから、融雪剤の影響でしょうか、パネルを重ね合わせている部分などにも、致命的な腐食がありました。そうした部分も全て別のパネルを使って仕上げてもらっています」

ビート&S660のスペシャリストである、ボディショップカミムラでのレストア作業が完了し、手元にピカピカの状態で愛車ビートが戻ってきたのだった。

いつか娘に引き継ぐまでビートを楽しみたい

愛車ビートがピカピカに再生されると、思いがけないことが起こったそうだ。

「それまで、見向きもしなかった娘がすごく興味を持ってくれたんですよ。一緒に乗りたいと“ミートザビート”や、この八千代工業でのミーティングにも昨年は一緒に参加しましたし、会話が増えたことは嬉しいですね。思いがけない人生の展開と言っては大袈裟かもしれませんが、それを与えてくれたビートは、かけがえのない存在にもなりました」

「免許を返納したら娘が“引き受けるから”と言っているので、なるべくオリジナルの良い部分を残しつつ、運転しやすいチューニングも考えています。このレカロのバケットシートも、しっかり体をサポートしてくれるおかげで、ハンドル操作もさらに軽くなっているんですよ」

現在はご両親の面倒を見るために遠出はできないというが、以前2カ月かけて歩いて巡ったことのある四国霊場88カ所をビートで巡り、いつか娘さんに引き継ぐまで、これからもビートを楽しみたいと語る、“ボッチとし”さんであった。

モバイルバージョンを終了