イコールコンディションでゲーム性を盛り込んだ“楽しむレース”
伝説のレーサー、そして車いすレーシングドライバーである青木拓磨率いるTakuma-GPが開催するミニバイクによる耐久レース「レッツ レン耐(Let’sレンタバイク耐久レース)」が2024年で20周年を迎えました。
敷居が低いのもレン耐の魅力
レース参戦はなかなかハードルの高いものである。ミニバイクといえども、自分でバイクを用意するとなると車両の購入費はもちろん、参戦費用、ガソリンやタイヤといった消耗品も必要だ。バイク本体も、市販のものを買ってきてそのままというわけにはいかない。少しでも上位を目指すためにパーツを購入するとさらに費用が上乗せされる。
さらにライダーの装具として、ヘルメットからレーシングスーツにブーツ、グローブといった装備も必要になってくる。もちろんサーキットまでバイクで自走というわけにもいかない。そう考えると、週末の趣味としても、少なくないコストがかかってしまう。
ところがこのレン耐は、その名の通り、レース用のマシンはレンタルが基本で、マシンはすでにサーキットに運んでありレース前に受け取り、レースが終了したらその場で返却となる。さらに、ライダーの装備として、ヘルメットだけは自身で用意する必要があるが、それ以外の装備を持っていなくても、レーシングスーツにブーツ、グローブまで一式を借りることができる。
レースに参戦しながらも費用が一気に圧縮できるだけでなく、マシンは基本的にイコールコンディション。多少の個体差はあるものの、自身のライディングスキルを確認できるというところも見逃せない。レース自体もさまざまな仕掛けもあって、純粋に速さだけを追いかけても簡単には優勝できないようになっている。
燃料はギリギリの設定であるし、ライダーの平均体重によって最低ピット回数に差がついていたり、レースの折り返し時点での順位をベースにサイコロでハンデ周回が加えられるダブルペリア式ハンデ制(後方順位で走っているチームが有利になる)があったり、さらにピット回数3回に1回、走行とは無関係なミニゲームが用意されていたり、という具合だ。
そんな20周年を迎えたレン耐。北は北海道から南は鹿児島まで全国各地で開催しているが、今シーズンも年間36戦(東日本シリーズ27戦/西日本シリーズ9戦)が用意された。日曜日は年に52日しかないことを考えるとすごい開催数だということがわかる。
レースは最短150分(2時間半)から最長12時間までの耐久レースが設定されている(ここ数年開催されていた24時間レースは、今シーズンはお休み)。他にも、レース初心者やレン耐初心者など初心者のみが参戦できる初心者耐久レース(60分と90分)もある。
現在はホンダのGROM125を中心に、APE100、MONKY125、CBR250Rなどを使用している。ミニバイクによるレースのメリットは、平均スピードが低いことで、比較的安全にレースを楽しむことができるという点も大きい。だからといって事故がないわけではないが……。
すでに最初のレースは1月14日(日)に千葉の袖ヶ浦フォレストレースウェイで開催済み。次は2月11日(日)の筑波戦が予定されている。3月からはほぼ毎週のように各地で開催となる。周りの友人・知人を誘って参戦してみてはいかがだろうか? ちなみに誘う仲間がいなくても、事務局に相談してみるとチームメイトを借りる(?)ことができる。そんなところまで敷居が低いのもレン耐の魅力だ。