直6ディーゼルターボを搭載するW124「300Dターボ」
1985年デビューとすでに40年近くが経過しているにもかかわらず、今なお根強いファンが多い名車がメルセデス・ベンツ「W124」の初代「Eクラス」。そんなW124をこよなく愛するオーナーが集う「W124-CLUB-JAPAN」の年に一度の全国オフ会が、2023年12月10日に愛知県のトヨタ博物館で開催されました。総勢40台以上がエントリーした中から、今回は国内ではきわめてレアなディーゼルモデルのオーナーを紹介します。
ディーゼルモデルをピンポイントで探し続けて4年前に入手
前期型特有のシンプルな佇まいがオーラを放つ三﨑一彰さんの愛車は、非常にレアな6気筒ディーゼルターボエンジンを搭載した1988年式「300Dターボ」だ。
もともとメルセデスのディーゼルモデルが好きだったという三﨑さんは、この車両の前には「W202」のディーゼルモデルを愛車としていた。しかしターボなしのディーゼルエンジンはお世辞にもパワフルとは言えないものだったそう。
「そこで6気筒のディーゼルターボエンジンならもっとパワフルだろうと思ったんです。最近でこそマツダから6気筒ディーゼルが発売されましたが、当時としてはほぼ唯一と言っていい6気筒ディーゼルに乗ってみたいという気持ちもありました」
とはいえそう簡単に希望するディーゼルモデルが出てくることはなく、この個体に巡り合えたのは今から4年ほど前のことだった。
「当時の新車購入オーナー車」を目指してコツコツとノーマル戻し
過去オーナーは車庫保管だったようで内装の状態などは良好だったものの、エクステリアは前期型のシンプルさとは真逆のカスタマイズがなされており、前後バンパーなどもボディ同色に塗られ、大径ホイールが装着されていた。
それを三﨑さんはコツコツとノーマル戻しを行い、塗装されていたバンパーは純正の無塗装風にリペイントした。ホイールも純正スチールと、新品が出たというキャップに変更し、リアトレイには毛ばたきを載せ、レースのシート半カバーを装着。「当時、新車で購入したオーナー」風の仕立てをして楽しんでいる。
ちなみにスリーポインテッドスターのマークが印象的なマッドフラップは、日本国外向けに設定されていたオプション品とのことで、アメリカから2枚、欧州から2枚を輸入して1台分を揃えたものだそうだ。
走行距離は12万3000kmと年式を考えれば低走行で、もともと丈夫なディーゼルエンジンということもあり、基本メンテナンスのみで大きなトラブルにも見舞われていないそう。燃費も14km/Lほどと良好で、ディーゼルモデルの恩恵を味わっている。