これからクルマで出かけるなら、大雪には警戒が必要
雪のシーズンが本格的に到来。近年は首都圏であっても大雪を経験していて、雪国ならずともクルマで出かける場合には雪への備えが重要になってきます。そこで、今回は大雪で非常事態になったとき、とくに立ち往生に巻き込まれたときでも大丈夫なように、非常時装備品などについて指南します。
大雪での立ち往生に備えておこう
これから雪のシーズンを迎えるにあたり、自分のクルマを冬タイヤに交換しておくことはもちろんだが、とくに巻き込まれると大変なことになる立ち往生への対策を考えておきたい。
根本的には、出かける前に気象情報をチェックして、大雪になりそうなら移動を控える。これが一番。あるいはコースを変更するか、時間帯をずらすことを検討しよう。
とくに高速道路上で立ち往生となると、かなり長時間身動きが取れなくなるので、天気予報で大雪の情報が流れたり、雪の降りが強くなり、道路上の雪が目立ってきたら、通行止めや立ち往生になる前に、最寄りのインターで高速道路を降りること。高速道路上でひとたび立ち往生が発生すると、逃げ場がないのでエライ目に遭う……。
一般道でも大雪のときに峠越えをするのはリスクがあるので、ホテルを探したり、ファミレスなど暖かいところに一時的に避難して、雪が小降りになるのを待つしかない。
「もしかしたら大丈夫かも」と賭けに出ても、自然には勝てないので、無理をしないのが一番肝心。そのうえで、この時期長距離ドライブに出かけるのなら、次の装備をクルマに積んで出かけよう。
・スマホの充電ケーブル、モバイルバッテリー(ある意味、生命線)
・使い捨てカイロ(複数)
・毛布(必須)
・簡易トイレ(複数)
・飲料水(脱水症状が怖い)
・食べ物(寒さ+空腹は辛い。おにぎりやサンドイッチももちろんいいが、羊羹やカロリーメイト、常温レトルト惣菜なども強い味方)
・防寒着
・長靴
・手袋
・スコップ
・牽引ロープ
・タイヤチェーン(スタッドレスタイヤでも必携)
・スノーブラシ
・スノーヘルパー
・解氷スプレー
・ブースターケーブル
これぐらいは一式用意しておきたいところ。
暖房を使いたいけど心配。とくにEVは?
あとは燃料の心配。立ち往生してしまったとき、一番怖いのは一酸化炭素中毒なので、寒くてもエンジンを止めるのが基本。寒さに耐えきれなくなって、やむを得ず、エンジンをかけて暖房を入れる場合、マフラーの出口付近をこまめに除雪することが必須不可欠だ。
そのうえで、ある程度車内が暖まったら、エンジンを止め、決してエンジンをかけっぱなしにしないこと。ちなみにアイドリング時の燃費は、乗用車で1時間当たり0.8~1Lほど。せっかく立ち往生が解消されても、ガス欠で動けなくなってしまったら元も子もないので、燃料の残量チェックは重要だ。
EVにも同様なことがいえるが、EVでバッテリーが切れると道路上で充電するのは難しく、充電設備のあるところまで牽引してもらわなければならないので、大問題。
ちなみに、JAFが日産の「リーフ」を使って行った大雪による立ち往生を前提としたテストでは、バッテリー残量70%からスタートし、外気温-8.1℃で、オートエアコンは25℃に設定したところ、おおむね10時間弱で残量10%になったとのこと。
もっとも、暖房を使わず、シートヒーター(100Wぐらい)やハンドルヒーターで寒さをしのげば、残量にもよるが一晩ぐらいは余裕で過ごせるはずなので、それほどシビアに考えなくてもOK。
暖房を併用したとしても、設定温度を低く抑えることができれば、電費はかなり抑えられるだろう(ヒートポンプ式の暖房)。
いずれにせよ、大雪で立ち往生に巻き込まれるほど最悪なことはないので、目的地までの天気予報を確実にチェックし、大雪が予想されるときは高速道路や山道を通らないことを大前提にしよう。