ベントレーモーターズ、英国で実習生募集開始を発表
ベントレーモーターズは、2024年も38名の実習生の募集を開始したことを発表しました。これまでもベントレーは多くの実習生を受け入れてきていますが、その狙いは何なのでしょうか。
アプレンティスシップとは
アプレンティスシップとは聞き馴染みのない言葉ではあるが、イギリスなどでは政府も推進している職業訓練の一環である。収入を得ながら経験と技術を身に着け、自分の将来のキャリアを構築していく制度。大学や専門学校に代わる新たな進路選択のひとつとして注目を集めている。
ベントレーはこれまでも多くの技能実習生を受け入れてきた。2022年には113名、2023年には37名、そして今年も38名の実習生を受け入れるという。
製造部門だけでない多様な人材
今回の募集分野は製造部門だけに限らず、電気工学、デジタルソフトウェア、プロジェクトマネジメントに重点を置いた38職種で、募集職種はレベル2からレベル6まで、製造、エンジニアリング、品質、購買、人事、IT、財務など多岐にわたる。このプログラムで実習生がスキルを向上させ、外部認定資格の取得を目指すとともに、日々の業務でベントレーの業界エキスパートから学び、成長を促すよう設計されている。
人事担当取締役会メンバーのカレン・ランゲ博士は、
「ベントレーの実習プログラムは、世界で最も長い歴史を持ち、最もやりがいのあるプログラムのひとつです。新鮮なアイデア、多様な視点、革新的な能力は、ビヨンド100戦略でビジネス全体を変革していくうえで不可欠です」
と語るように、若い世代の新しい取り組みが今後のベントレーの成長に不可欠であると感じているようだ。
2024年に入り、英国の高級ブランドであるベントレーは、そのベンチマークとなる就業体験が評価され、13年連続でトップエンプロイヤーのタイトルを獲得した。英国を拠点とする自動車メーカーで唯一、トップエンプロイヤーの称号を授与されているブランドである。
以前、実習生がTシリーズをレストアするプロジェクトが実施されたことがある。この実習を通じてベントレーのフィロソフィーが正しく長く受け継がれることを望みたい。
AMWノミカタ
ベントレーの工場に足を踏み入れると、熟年のベテラン職人と若者のペアで仕事をしている風景をよく見る。革の加工のエリアであったり、木工エリアであったり、車両の組み立てプロセスでも同様の組み合わせを目にした。ベントレーのタクトタイムは1分間に2インチと言われる。この十分な時間のなかで、ベテランの技が若者に伝承されているのだろう。今回は、製造部門だけでなくオフィス業務の見習いも実施されるが、彼らの未来のためにも、地域の活性化のためにも、そしてベントレーの未来のためにも、この活動は継続してほしいものだ。