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佐藤琢磨選手がHRCエグゼクティブ・アドバイザーに就任!スーパー耐久にも関わる!?「より楽しいコンテンツを作り上げます」

向かって左が渡辺康治社長。右が佐藤琢磨選手

今後の展開に期待が膨らむ

ホンダのモータースポーツ専門会社であるHRC(ホンダ・レーシング)が、F1世界選手権への参戦やインディカーシリーズをはじめとする、世界トップカテゴリーで活躍してきた佐藤琢磨選手とアドバイザリー契約を締結。今後は同氏が「HRCエグゼクティブ・アドバイザー」として、ホンダとHRCの4輪レース活動全般におけるアドバイスとサポートを行っていくことが明らかになりました。

インディ500で2度の快挙を成し遂げた

佐藤琢磨選手は1997年に現在のホンダ・レーシング・スクール・鈴鹿・フォーミュラ(※当時の名称は鈴鹿レーシング・スクール・フォーミュラ)を卒業後に渡英し、2001年には英国F3選手権でチャンピオンを獲得。2002年にはジョーダン・ホンダからF1デビューを果たし、2004年のアメリカグランプリでは日本人F1ドライバーとして最高位タイとなる3位表彰台を獲得した。

2010年には活動の場をアメリカに移し、インディカーシリーズに参戦。2017年には世界3大レースのひとつであるインディ500で日本人初となる勝利を飾ると、2020年には2度目の快挙を達成。今シーズンもインディ500への参戦がすでに決まっており、自身3度目の制覇を目指す。さらに2019年からは、ホンダ・レーシング・スクール(以下HRS)のプリンシパルとして、未来を担うレーシングドライバーの卵たちと向き合い、指導を行っている。

佐藤琢磨選手をエグゼクティブ・アドバイザーに任命した背景について、HRC代表取締役の渡辺康治氏はこう説明する。

「HRCに4輪部門が加わって今年で3年目になります。4輪部門の領域をより飛躍させるために、ホンダとともに挑戦を続けてきた琢磨さんには、エグゼクティブ・アドバイザーとして就任してもらうことになりました。これまでのHRSプリンシパルに加えて、国内外のドライバー育成やレースの参戦計画、運営体制など4輪のレース活動全体についてのアドバイスとサポートを行っていただく予定です。また将来的に販売を見据えているHRC商品展開の際には、琢磨さんが培ったレーシングドライバーとしての知見と経験を活かして、お手伝いしていただきたいと考えています」

今後の具体的な活動に関してはこれから決まっていくとのことで、琢磨選手は下記のように語ってくれた。

「これまでも関わらせていただいてきましたが、最初はHRC Sakuraに訪問してご挨拶とディスカッションを行い、現場だとスーパーフォーミュラやSUPER GTの現場にも訪問します。僕はまず国内レース、そしてその現状を勉強する立場だと思っております。ドライバーから見た視点というよりも、HRC全体として、これからの強化に向けてどんなことができるのか。現場の意見を聞きながらHRCと協議をしていきたいと考えています」

HRS-Kに参加していた13歳の中学生がウィリアムズに加入

さてHRCの4輪活動は、スーパーフォーミュラやSUPER GTといった国内トップカテゴリーに加え、2023年からはスーパー耐久シリーズに4輪初のフルワークス体制で参戦を開始し、活動の幅を広げている。この活動に関して、琢磨選手はどのように考えているのだろうか。

「僕自身、スーパー耐久の具体的な関わり方はまだ何も決まっていません。ですがスーパー耐久は、参加型モータースポーツの原点になるカテゴリーと言いますか……クルマ好きの方たちの熱い想いを、存分に発揮できる舞台だと思っています。ここ数年、スーパー耐久に注目が集まっているのはとても嬉しいことです。この取り組みを無駄にしないで、より楽しいコンテンツを作っていけるようにしたいと思っています」

また2023年HRS-K(ホンダ・レーシング・スクール・鈴鹿・カートクラス)に参加していた13歳の中学生女性ドライバー松井紗羅選手が、2024年1月末にF1の名門チーム「ウィリアムズ・レーシング」のドライバーアカデミーへ加入を果たした。松井選手は2023年末に開催されたHRS-Kの特別講習会で、現役F1ドライバーの角田裕毅選手と熱戦を披露。角田選手からのプレッシャーにも動じることなく、見事に勝利を飾った。

今シーズンはFIAカート選手権のOKジュニアクラスに参戦するほか、チャンピオンズ・オブ・ザ・フューチャー・アカデミーへ出場する予定となっている。プリンシパルとして彼女の活躍を見守ってきた琢磨選手は、彼女のウィリアムズ・アカデミー入りについて次のようにコメント。

「彼女は本当に研究熱心で、着実に力をつけてきたドライバーでしたから、世界のレーシングチームに認められる形になったのはとても嬉しいです。彼女自身もしばらくはヨーロッパで活動することを目標にしていますが、仮に日本へ帰ってくることになってもサポートはしていきたいです。彼女はまだ13歳ですし、ゆくゆくはフォーミュラカーに乗れる機会を作っていきたいと思います」

レーシングドライバーを目指して以降、ホンダと二人三脚で挑戦を続けてきた佐藤琢磨選手。エグゼクティブ・アドバイザーとして、HRCのモータースポーツ活動にどのような効果を生み出すのか。新たな挑戦が始まった。

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